在日米国大使館は同ホームページで15日、先月19日に米国務省より発表された「信仰の自由に関する2008年国際報告書」の日本に関する部分の翻訳を発表した。同報告書は今年、昨年同様に北朝鮮や中国、ミャンマーなど8カ国を、信教の自由に関する観点から「特に懸念される国」に指定していしていたが、日本は昨年と変わらず「宗教はおおむね自由に実践されており、その他の法律および政策がこれに寄与している」との評価を受けた。
昨年7月から今年6月までを対象に調査を実施した同報告書は、米国務省民主主義・人権・労働局が毎年9月に発表するもので、「特に懸念される国」に指定された国については、経済制裁などを科す際の根拠として用いられることもある。
同報告書は今年、宗教的な信条または実践に基づく、社会的な虐待または差別として、日本の法務省に22件の苦情が寄せられ、そのうち20件が正当と認められたとしている。昨年は、苦情などが報告されなかった項目で今年は多少増加したことになる。
文化庁が発表した06年の統計結果も紹介されており、それによると日本の総人口1億2800万人に対して、各宗教団体から報告されている信者数は2億900万人と、総人口の約2倍となった。これは、日本で見られる特殊な傾向で、仏教と神道の両方の儀式を実践するというように、日本国民の多くが複数の宗教を信仰しているという結果になる。
また、文化庁の宗教年鑑によれば、宗教別の信者数は、神道が1億700万人、仏教が8900万人、キリスト教が300万人、天理教、生長の家、世界救世教、パーフェクトリバティー教団などのその他の宗教が1000万人であった。このうち仏教は昨年の報告書では9100万人で200万人減少、他は昨年と同数であった。
一方、イスラム教徒は国内に11万5000人から12万5000人いるとされており、そのうち10%が日本国民。ユダヤ教徒は国内に約2000人おり、その大半が外国生まれとしている。創価学会は信者数として800万世帯を報告した。
06年12月現在で政府から確認されている宗教団体は22万3970団体で、このうち18万2468団体が宗教法人として承認されており、宗教団体全体の約81%が承認を受けていることになる。