英オックスフォード大学ウィクリフ・ホールは22日、新約聖書学者のニコラス・トマス・ライト氏(70)を同ホールの上級特別研究員に任命すると発表した。就任は10月1日付。ライト氏の書籍は邦訳本も複数出版されている。
オックスフォード大学はカレッジ制を採用しており、現在は39のカレッジと、6つのパーマネント・プライベート・ホール(PPH)があり、在学生はいずれかに所属している。PPHはいずれもキリスト教の神学教育機関で、カトリック系が3つ、英国国教会(聖公会)系が2つ、バプテスト系が1つ。1877年設立のウィクリフ・ホールは、英国国教会系の中でも福音主義的な立場を取る教育機関。
ウィクリフ・ホールのマイケル・ロイド校長は、ライト氏が「新約聖書研究の分野を刷新し、イエスの復活の歴史性を、これまでにない徹底さと洗練さをもって弁護してきた」と評価。ライト氏の就任が、次世代の教会指導者の育成に大きく貢献することへ期待を示した。
ライト氏は、自身も1970年代にウィクリフ・ホールで学び修士号を取得したり、同大で教鞭を執ったりするなど関わりが深い。現在はスコットランドのセントアンドルーズ大学セントメアリー・カレッジで、新約聖書学と初代教会史の特任教授を務めている。