奇跡は科学に反する。そんな非科学的なことが書かれているので、聖書は信じられない。
科学は絶えず研究され、進歩が続いていますが、それはまだ分からない部分,未知の部分があるからです。つまり、分からない部分はいつまでも残っているのです。また、これまでに分かっていたことも、ある日それが覆されたり、全然別の側面が発見されたりもします。常識と思われていたことが否定されることもあります。今の科学ですべてを分かり尽くしているのではありません。
ですから、今の科学を根拠に「あり得ない」と断定することは慎重であるべきです。あり得ないと思われたことが、あるとき・ある状況で・ある事案であり得たというのが奇跡です。
神は全能の創造者ですが、自然世界を治めるために、自然法則を定めて維持しておられます。この定めにより、自然は原則として法則の通り動きます。しかし、まれに、神のご計画の実現のため、個別的例外的に自然法則を乗り越えることがあります。それが奇跡です。法則を造った方は例外もなし得るのです。神がご自分の造った法則に縛られてそれを超えられないというのはおかしなことです。全能の神は、例外もなし得るのです。
思考力とその積み重ねを比較すると、次のように表すことができます。動物から見ると、人間のレベルははるかに高く、人間は動物が理解できないことをする。網とか落とし穴、鉄砲など。それで捕らえられたり、殺されたりします。同様に、神のレベルは人間のレベルよりもはるかに、はるかに高いので人間が理解できないこともする。
神は全知全能です。その神が、奇跡をできないとか、奇跡をしないなら、神とはいえません。また、神とは分かりません。神だと認めることもできません。
聖書は、神が必要に応じ奇跡をしてきたことを記録していますが、そのことを信じられないなら、奇跡をしないという、人間と同じレベルの神なら信じるのでしょうか。それはもはや神とはいえません。
全能の方が信じられず、人間と同じなら信じるとはおかしなことです。神というからには人間と同じではなく、人間を超えた存在であるはずです。神が人間を超えた存在であるなら、大なり小なり、人間の分からないことをなさるはずです。つまり、何らかの奇跡をなさるはずです。
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