アフリカ北東部のエリトリアで、政府が国内のカトリック系医療施設22カ所を閉鎖したことを受け、同国の司教らは信者らに対し、2週間以上の断食祈祷に加わるよう求めた。
政府が医療施設を閉鎖したのは、1993年のエリトリア独立以来、25年以上にわたって政権を握るイサイアス・アフェウェルキ大統領を、司教らが批判したためと考えられている。政府は当初、医療施設の職員らに施設の所有権を引き渡すよう言い渡した。しかし、職員と同国のカトリック司教協議会が要求を拒否したため、先月12日に22の病院が閉鎖された。
同国のカトリック教会トップのアスマラ大司教メンゲステブ・テスファマリアムは、「主だけが私たちを慰め、問題を解決することがおできになる」と述べ、断食の祈りを呼び掛けた。
バチカン放送によると、病院の閉鎖で最も影響を受けるのは貧困層で、病院のほとんどが農村地域にあるという。
国連ニュース(英語)によると、国連人権理事会のダニエラ・クラベツ特別報告者(エリトリア担当)は、医療施設の閉鎖について懸念を表明し、エリトリア政府に信教の自由を守るよう要請した。
「一連の行為は、平和と安全に向けて改善された地域環境に反するもので、エリトリアの人権状況は変わっていないことを示しています」
「エリトリアが国連人権理事会の理事国として国際的な公約を守り、宗教施設が自由に活動できるようにし、すべてのエリトリア国民が国内において信教の自由の権利を行使できるようにすることを強く望みます」
「こうした医療施設の閉鎖は、影響を受ける人々、特に遠隔の農村地域の人々の健康に対する権利に悪影響を及ぼすことになります。カトリック教会の活動を縮小することで、エリトリア当局は国民が質の高い医療を享受する権利を制限しているのです」