キリスト教のいう愛とはどういう愛か。
愛にはおよそ4種類あるといわれています。A)アガペーの愛、B)エロスの愛、C)ストルゲーの愛(肉親の関係による愛、自我の延長でもある)、D)フィレオーの愛(尊敬・共鳴による愛)です。このうち、AとBが典型ですから対照させて記述してみましょう。
A)アガペーの愛 | B)エロスの愛 |
・相手の何かに惹かれるからでなく、愛すべきだから愛すという意志の愛 | ・相手の容貌か何かに惹かれるもの、好きだという感情の愛 |
・愛そうとする自発的な愛 | ・惹かれるという意味で、受身の愛 |
・相手が変化しても、状況が変化してもその愛は変わらない。 | ・相手の態度が変われば愛から憎しみに変わるかもしれない。相手の何か(例えば容貌)が変われば他の人に移っていくかもしれない。 |
・一方的愛。相手がどうであれ、仮に相手が愛してくれなくても、相手が悪をなしても、愛し続ける愛。 | ・相互的愛。相手も愛してくれるから愛する愛。仮に相手が自分を見限ったり、悪をなすなら破綻する愛。 |
・その愛によって苦しむことがある愛 | ・その愛によって陶酔・喜びを得ようとする愛 |
・相手に何かを与えようとする愛 | ・相手から何かを得ようとする愛、奪おうとする愛 |
・何の益もない、報われることのない愛、無償の愛 | ・相応の何かを期待する愛(利己的愛) |
・イエス・キリストの十字架の死において典型的に示された愛、聖書が勧めている愛 | ・この世の人が普通にいう愛、生まれつきの人が持つ愛 |
キリスト教がいうアガペーの愛を一言で定義するなら、相手が究極の幸福(天の御国での永遠のいのち)を得られるよう、考え、計ってあげることです。
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