【ユトレヒト(オランダ)=ENI・CJC】(アンドレアス・ハビンガ記)ドイツで初めて、プロテスタント教会がユダヤ教礼拝堂に衣替えした。
ドイツ北部ノルトライン=ヴェストファーレン州ビーレフェルトで9月21日、「バイト・ティクワ」(希望の家)と言う名のユダヤ教礼拝堂の献堂が行われた。
ヴェストファーレン福音教会のアルフレッド・バス牧師は、新礼拝所がプロテスタント・キリスト者のための「希望の家」でもあると挨拶した。
ビーレフェルトのかつてのユダヤ教礼拝堂は、1938年11月9日、ナチがドイツ全土でユダヤ教礼拝堂などユダヤ人の住宅、店舗などを襲撃した「クリスタルナハト」と呼ばれた事件の際に破壊された。バス牧師は「悲しみと深い恥」をもってそれを想起した。
600万人ものユダヤ人が殺されたとされる「ホロコースト」の時に、ヴェストファーレン福音教会はそれに直面することをしなかった、としてバス牧師は、かつてのプロテスタント教会がユダヤ教礼拝堂に転換したことの意味がますます深まる、と言う。
ドイツ・ユダヤ人中央協議会のシャルロッテ・ノブロック委員長は、新しいユダヤ教礼拝堂が「ビーレフェルトのユダヤ人生活の再生」を示すものと評価した。
ビーレフェルトのユダヤ教徒は約300人。ノルトライン=ヴェストファーレン州には礼拝堂が19カ所あり、信徒総数3万2000人。
ビーレフェルトの礼拝堂はこれまでのものが手狭になり、昨年パウル・ゲルハルト教会を購入した。改修費用は280万ユーロ(約4億3000万円)。改修には州とビーレフェルト市の財政支援があった。