見よ。神は私の救い。私は信頼して恐れることはない。ヤハ、主は、私の力、私のほめ歌。私のために救いとなられた。 (イザヤ12:2)
私の心からの祈りと願いは、一人でも多くの方が神の愛とイエス・キリストの救いを体験し、幸せな人生を歩んでいただくことです。たった一度きりの人生です。不信仰や疑いに包まれて生きるのではなく、信じる喜びに輝く人生を体験なさってください。そして、地上だけで終わる人生ではなく、永遠のいのちをもち、天国に生きる人生を、あなたのものとしてください。
信じる人生は、幸福に輝く人生です。人生を灰色にするのも、バラ色にするのも、あなたがどう信じるかにかかっています。
信じる心は、神様が人間に与えてくださったすばらしい贈り物です。赤ちゃんは無心に母親を信頼します。あのつぶらな瞳、かわいい笑顔は信頼から生まれるのです。信じ合うところに安らぎがあり、喜びがあります。
人間の「信じる」という働きが正常に働かなくなるとおかしくなります。
ある若い奥さんの話です。傍目にもうらやましいほどの幸せな結婚生活でした。ご主人は申し分ない方で、職場にも恵まれ、地位も人望もあるし、給料も安定していました。若いのによくできた人と、だれからも尊敬され、奥さんを心から愛し、家庭を大切にする人でした。何も問題はなかったのです。
しかし、あるころから奥さんは、ご主人に愛人がいると思い込んでしまいました。そう思いはじめると疑心暗鬼です。少し帰りが遅くても、逆に機嫌よく帰ってきても、ともかく何もかもが浮気をしている証拠に思えてなりません。奥さんはご主人を信じることができなくなったのです。二人の間はだんだんおかしくなり、とうとう、ご主人は本当に浮気をしてしまいました。信じる働きが正常でなくなった一つの悲劇です。
大変残念なことですが、信じ合えないばかりに溝ができている夫婦・親子が大勢いるのです。不幸なことですね。
神は人間に「信じる」というすばらしい心をくださいました。レストランで食事をするのも、電車に乗るのも、何をするにも、信じる心があるから平安なのです。そして、信じる心が最も正常に働くのが、イエス・キリストを信じる時なのです。ちょうど磁石の針が真北を示すように、私たちが真の神を信じる時、人生のすべての問題は正常化していくのです。
では、どうすれば正常な「信じる心」をもてるのでしょうか?
第一に、信仰とは聞くことから始まります。イエス・キリストのことばを聞く時、信仰が芽生えます。
信仰は聞くことから始まり、聞くことは、キリストについてのみことばによるのです。 (ローマ10:17)
聖書を読む時、教会で聖書のことばを聞く時、心の中の信仰の針が動き出します。
第二に、イエス・キリストを信じることです。聖書を通して伝えられたキリストの救いを、素直に心に受け入れる時、救われます。
十字架のことばは、滅びに至る人々には愚かであっても、救いを受ける私たちには神の力です。 (?コリント1:18)
二〇〇〇年前にこの世界に生まれ、三十三歳の時、エルサレムで十字架にかかって死んだイエス・キリスト。十字架の上で血を流し、全人類の罪を、病気を、呪いを、貧しさを背負われたキリストを信じる時、私たちは救われるのです。
また、イエス・キリストは三日目に墓の中からよみがえり、今も生きていて、信じる者とともにいてくださる方です。キリストがあなたの人生に訪れてくださる時、あなたの知性も意志も感情も正しくされるのです。
信じる心は豊かさを生み出します。幸せをもたらします。積極的な、成功的な人生を与えられるのです。
イエス・キリストを信じる時、あなたの人生は変わります。あなたは知性的にも、感情的にも、意志的にも、全人格的に満ち足りることができます。満ちあふれるような幸いの中で生きるのです。そして、それは流れ出し、夫婦の関係、親子、隣人、職場にも、信じ合うまごころの輪を広げるのです。
(C)マルコーシュ・パブリケーション
榮義之(さかえ・よしゆき)
1941年鹿児島県西之表市(種子島)生まれ。生駒聖書学院院長。現在、35年以上続いている朝日放送のラジオ番組「希望の声」(1008khz、毎週水曜日朝4:35放送)、8つの教会の主任牧師、アフリカ・ケニアでの孤児支援など幅広い宣教活動を展開している。
このコラムで紹介する著書『希望の声』(マルコーシュ・パブリケーション)は、同師がラジオ番組「希望の声」で伝えたメッセージをまとめた珠玉のメッセージ集。放送開始25年を迎えた98年に、過去25年間伝え続けたメッセージの中から厳選した38編を紹介している。