チャールズ・ダーウィンの著書「種の起源」が1859年に出版されてから来年で150周年を迎えるのを受けて、ローマ法王庁(バチカン)は15日、プロテスタント、カトリック両派の神学者のほか、科学者や哲学者らを招待して、進化論に関する会議を開催すると発表した。AFP通信が伝えた。
会議は、イタリアのグレゴリオ大学と米国のノートルダム大学の共催で行われる。同通信によれば、ローマ教皇ベネディクト16世はこれまでに少なくとも2回の非公開の会議で進化論に関して議論しているが、進化論は種の起源を十分に説明していないとしている。一方、ローマ法王庁文化評議会議長であるジャンフランコ・ラヴァージ大司教は、「進化論と聖書のメッセージの間に相反するところはまったくない」(同通信)との見解を示している。
会議を開催するグレゴリオ大学のマーク・リクラーク教授は同通信に対して、「信仰や創造主である神と相反するのは学説としての進化論ではない。それは、真実を説明する唯一の方法ではないということだ」と説明するが、インテリジェント・デザイン説とは一線を画しており、人類の誕生について、神の手によるという説と進化論的な説明は、異なる次元にあるものだとしている。
一方、英国国教会(聖公会)は同日、公式サイト上でダーウィンに関しての文章を公開。当時、英国国教会がダーウィンの考えを誤解し、最初の対応を誤ったとする内容を掲載した。