隠れキリシタンの殉教遺構実証のため発掘調査が行われている長崎県平戸市で13日、出土したキリシタン殉教者ではないかと見られる全身人骨の鑑定が実施された。西日本新聞が伝えた。
鑑定は、形質人類学の専門家である長崎大大学院医歯薬学総合研究科の分部哲秋氏が行い、約400年以上前の14歳から17歳ぐらいの人骨であることが確認された。
刃物で殺傷された痕などは確認されていないが、両足のくるぶしと両胸の上に鉄製品計4点が残されているのが見つかったことから、同市教育委員会は「鉄製品が拘束具だった可能性があり、殉教者の可能性が否定されたわけではない」として今後さらに詳しい調査を行う方針。
人骨は8日、同市根獅子地区「ウシワキの森」の石組み遺構の下から出土。仏教における一般的な埋葬形態である屈葬とは異なり、手足を伸ばした状態で発見されたことから、キリスト教に関係する人物のものではないかと見られている。