日本キリスト教協議会(NCC)国際わかちあい委員会は9日、中国四川省で発生した地震の支援活動を展開している中国のキリスト教支援団体、愛徳基金会の中間報告(先月20日付)を発表した。報告では、5月12日の地震発生以来すでに100日以上が経過したが、震災者は依然として地震によって受けた傷を回復するために多くの時間と支援を必要としていることが伝えられた。
今回の報告は、愛徳基金会香港事務所を通じて同委に送られてきたもの。報告書によれば、愛徳基金会は地震が発生してから数時間後には現地(チェンジュ)に到着しており、最も早くに震災地に駆けつけた支援団体の一つであった。同会は、地震発生後少なくとも500万元(約7850万円)の緊急支援を実施。今日までに、2400万元(3億7700円)の募金を集めて被災者12万人に対して支援を行ってきた。
同会は米や料理油、飲み水、ヌードル、ベビーフード、衣類、おしめなどの必要物資を供給するばかりではなく、震災者へのカウンセリングを行うため、ソーシャルワーカーと心理学者からなる7人のチームを派遣。このチームは70以上の臨時避難所を尋ねて、これまでに1300人以上の相談を受けたきたという。
また、復興支援の働きとしてはすでに6つの学校に対して授業再開のために援助を行い、学校に必要な印刷機やコピー機、コンピュータなどを供給している。さらに、地震によって大きな被害を受けたというミアンツ教会に対しては仮会堂建築の支援も行っているという。
愛徳基金会は、中国の公認プロテスタント教会の連合組織、中国基督教協会(CCC)の関連団体として、中国国内のキリスト教徒らがボランティアとして参加するなどして活動を行っている。主に、中国国内の貧困地域の援助に力を入れており、中国最大の聖書印刷所を持つ愛徳印刷会社は同会の関連会社。同印刷会社は、聖書協会世界連盟(UBS)などの援助を受けて、中国語および少数民族の言葉で聖書を多数印刷している。