長崎県平戸市教育委は11日、隠れキリシタンの殉教遺構実証のため、同市根獅子地区「ウシワキの森」で行われていた発掘調査で、石組み遺構の下から殉教者ではないかと見られる全身人骨一体が出土したと発表した。西日本新聞が伝えた。
人骨は8日、深さ約1メートルの砂地で発見され、身長約130センチ、性別は不明。仏教における一般的な埋葬形態である屈葬とは異なり、手足を伸ばした状態で発見されたことから、キリスト教に関係する人物のものではないかと見られている。13日に掘り出し、形質人類学の専門家が分析にあたるという。
「ウシワキの森」は、隠れキリシタンの弾圧時代に、1000人の村人をかばって処刑された一家6人が埋葬されたと伝えられている場所。世界遺産の暫定一覧に選ばれた「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の新たな構成遺産の一つである生月島・平戸島地域にあり、同市教委が先月18日から発掘調査を実施していた。