キリスト教に偏重しているとの仏教界からの批判を受けていた韓国の李明博大統領は9日、一部公職者に宗教的偏向の誤解を招く言動があったと謝罪し、宗教への中立という認識をより一層徹底することを約束した。
政府は同日の閣議で、職務上の宗教偏向を禁止する明文を盛り込んだ新たな公務員服務規程の改正案を決議。李大統領は、「(今回の法制度面での対策が)宗教界やすべての社会団体が寛容を示し、和合するきっかけになることを願う」と述べた。
この問題は、米国産牛肉輸入問題の不法デモに関わった反政府活動家がソウル市内の寺に逃げ込んだ際、警察が仏教界首脳の乗用車を捜索したことや、教会主催の行事ポスターに魚清秀(オ・チョンス)警察庁長官の顔写真が掲載されたことなど、李政権がキリスト教をひいきしているのではないかとの反発が仏教界から起こっていたもの。曹渓宗の総務院長で仏教界首脳の智冠(チグァン)僧侶は、魚警察庁長官の更迭をほのめかすとも取れる発言を行っていた。
李大統領は魚警察庁長官に対し、仏教界の指導者を直接訪ねて謝罪を行うよう要求した。