米中西部インディアナ州の教会で先月末、火災が発生した。教会はほぼ全焼したが、焼け跡からは無傷の聖書が数冊発見されたという。
火災が発生したのは同州クローザーズビルのライトハウス・タバナクル教会。同教会によると、火災は牧師の執務室から発生し、教会全体に燃え広がったとみられる。
米CBS系列の地元メディア「WLKY」(英語)によると、炎は3〜3・6メートルの高さにまで燃え上がり、6つの町から消防士45人が出動し、消火に当たった。火災による負傷者はいなかった。
一方、教会はほぼ全焼したものの、教会にあった聖書の多くが無事だったという。チャールズ・デンスフォード消防署長はWLKYの取材に、「100パーセントとは言えませんが、聖書の9割余りが完全に無事でした。これは本当に驚くべきことです」と語った。
クリスチャンポストが同教会に確認したところ、教会は、焼け跡から回収された聖書を抱える消防士の写真が示す通りだとし、次のように答えた。
「消防士が無傷だった聖書の束を抱えています。(火元と思われる)牧師の執務室にあった2冊(の聖書)も無事でした。現時点では他に何か残ったものがあるかどうかは不明です」
地元のシーモア・トリビューン紙(英語)によると、教会裏手のトレーラハウスで暮らしていたサム・ステガル伝道師が初めに朝6時ごろ、火災の知らせを受けた。教会から煙が上がっているのを目撃した通行人が、ステガル伝道師に知らせ、ステガル伝道師が同教会のジェリー・マイルズ牧師を呼んだ。マイルズ牧師は教会員のデンバー・グレンさんと教会に向かい、到着したときには消防隊員らがすでに現場に到着していたという。
マイルズ牧師は1981年以来、同教会で牧師を務めている。教会堂自体は、マイルズ牧師が就任する前の75年に建てられた。
「到着すると、ステガル伝道師が私に『これはただの建物ですよ』と言いました。私は『そうだね。でも、私にとってはこれがすべてなんだ』と答えました。するとそこに立っていた教会の青年が『私たちがいるじゃありませんか』と言いました。その言葉が私の心に深く残りました。私には素晴らしい人たちがいるんです。私は心の中で『建物が何だというんだ。また建てればいいさ』と思いました。私には素晴らしい人たちがいて、今その人たちに取り囲まれているのですから」
デンスフォード消防署長は、「放水によるダメージで、教会内部はリフォームが必要です。礼拝堂内の備品の一部は使えるかもしれませんが、確かなところは分かりません」と言う。
教会の裏手に歓談用の建物があり、マイルズ牧師は教会堂が再建されるまで、そこで礼拝を持つことを考えている。また近隣の教会からは、自分たちの教会を礼拝用に提供してくれるという提案もあったという。
教会員のトレイシー・コバナーさんは同紙に次のように語った。
「教会には心血を注いできたので、胸が痛みます。ちょうど改装工事を終えたところで、内装はきれいでした。ですから、この場所を引き払うのは残念で仕方がありません。この教会は1970年代に建てられました。当時の人たちは、何もないところからこの建物を建てたのです。私はこの教会で育ちましたので、たくさんの思い出があるのです。悲痛な思いはありますが、私たちは神を信じています。私たちは、教会の土台である神に信頼します」