3月2日の世界祈祷日に合わせて、今年も北海道から沖縄まで全国70カ所以上で関連集会が開催される。日本キリスト教協議会(NCC)女性委員会・世界祈祷日事務所は9日、開催地の情報をブログに掲載し、集会への参加を呼び掛けている。
世界祈祷日は1887年、米国の女性たちが、移住者や抑圧されている人々を覚えて始めたもの。その後、2度の世界大戦を経て、毎年3月第1金曜日と定め、和解と平和を求める祈りの運動として教派を超えて広がっていった。日本では、1932年から第2次世界大戦中を除き毎年開かれている。
今年のテーマは、創世記1章31節から「すべて神の造られたものはとてもよい」。式文はスリナムの女性たちが用意した。スリナムは南米の北東に位置する多民族国家で、17世紀からオランダの植民地支配が続き、完全に独立したのは1975年。人口は約54万人で、人口、面積共に南米最小の国だ。
NCC女性委・世界祈祷日事務所のブログによると、スリナムは国土の9割が熱帯雨林と自然豊かな国だが、内陸部の金鉱では精錬のために水銀を使用しており、水銀中毒が問題になっているという。また、教育を受けられない子どもたちの労働や健康被害が深刻で、自殺率も世界的に見て高い。自殺者の7割が男性で、その多くは水銀中毒や薬物依存が原因とみられている。
同事務所はブログで、「世界祈祷日には、創世記1章を通して、世界の管理者、神が創造し、『すべてよい』と言われたこの世界の課題にどう向き合っていくのか、スリナムからのメッセージを共に聞き、伝えていきましょう」と呼び掛けている。
日本語の式文は、NCC女性委が世界祈祷日国際委員会(WDP)から出されている原案を基に作成し配布している。今年も配布の受け付けが行われており、価格は、ポスター、日本語式文、点字式文、英語式文、子ども式文各1部100円。また、スリナムの賛美歌CD(全7曲・約14分)も1枚500円で販売されており、スリナムを紹介するパワーポイントのスライドは無料で転送している。
世界祈祷日にささげられた献金は、WDPを通して、式文作成国で行われる女性の活動や国内外での女性の働きのために用いられる。式文の申し込みや集会日程の詳細などは、同事務所のブログを。