【CJC=東京】英公営BBC放送によると、紀元1世紀にガリラヤ地方の首都だったチッポリで、教会の基礎の下にローマ神殿と見られる遺跡を、イスラエルの考古学者が発掘した。紀元2世紀のものと見られる。
神殿は、古代にすでに略奪されており、ほぼ基礎が残っているだけ。チッポリで鋳造された貨幣は、ローマ神ゼウスと女神テュケーが拝まれていた可能性を示唆している。神殿は、ローマ時代、ビザンチン時代に町の東西にわたる大通りだった「デクマヌス(並木通り)」の南側に位置する。
エルサレムのヘブル大学考古学研究所のジーブ・ワイス教授らの発掘作業の中で発見された。12メートル×24メートルの神殿は、外壁に囲まれた中庭に建てられ、装飾された正門があった。神殿が廃止された時期は分かっていないが、教会が建設されたのはビザンチン時代のこと。チームメンバーは、発見が都市の信仰生活に光を当てるであろうと語った。
今回、「デクマヌス」の北側で記念碑と見られるものも発見された。規模から見て、重要な役割を果たしたものと見られるが正確なことはまだ分かってはいない。
チッポリの発掘は1930年に米国チームによって開始された。ヘブル大学による90年以降の発掘では、バシリカ(集会場)、浴場、劇場、教会2カ所、ユダヤ教礼拝堂などが判明している。