「『主よ。もし、あなたでしたら、私に、水の上を歩いてここまで来い、とお命じになってください。』イエスは『来なさい』と言われた。そこで、ペテロは舟から出て、水の上を歩いてイエスのほうに行った。ところが、風を見て、こわくなり、沈みかけたので叫び出し、『主よ。助けてください』と言った。・・イエスは・・・彼をつかんで言われた。『信仰の薄い人だな。なぜ疑うのか。』そして、ふたりが舟に乗り移ると、風がやんだ。そこで、舟の中にいた者たちは、イエスを拝んで、『確かにあなたは神の子です』と言った」(マタイ14:28~33)
ビル・ウィルソン先生の新刊『無敵の鎧(よろい)を身にまとえ』が出来上がった日に、ビル先生がシリアの難民キャンプでの働きの最中に、銃撃されたという連絡が入りました。防弾チョッキを着ていましたので、体そのものに銃弾が入ることなく、一命は取り留めました。それでも肋骨が折れ、肺には穴があき、衝撃で倒れたときに頭蓋骨にもヒビが入ったそうです。今はもう退院されて、先生らしく予定の集会を続けていますが、ビル先生の体が速やかに癒やされ、これからの活動が守られますようにお祈りください。
今日は、ペテロの水上歩行と呼ばれる箇所から、クリスチャンは、イエスが共におられるからこそ、生身の人間では成すことのできない新しい次元、恵みの世界へと一歩踏み出していけることを学びます。
1. 恵みの次元へと招く主に目を向けよう
イエスは、人間の力や限界、人間の理屈をはるかに超える素晴らしい神の恵みの世界へ来なさい、と新しい別の次元へと招いてくださるお方です。クリスチャンにされているのに、自分の理屈や人の言葉でがんじがらめにされた、つまらない世界に閉じこもっていませんか。イエスは、あなたをもっと可能性や夢、喜びのある別の世界へと招いてくださいます。
神が働かれるときに、私たちの人生にも自分の理屈を超える恵みが与えられます。そしてイエスは、私たち一人一人にも、いつまでもつまらない世界に生きているのではなく、こっちに来なさいと語ってくださるお方であることを感謝しましょう。
2. 周囲の状況に恐れる弱さを認める
ペテロは舟から出て水の上に足を踏み出しました。でも激しい風と波の様子を見た瞬間、恐ろしくなり、あっという間に沈んだのです。私たちも同じです。周囲の状況を目の当たりにすると、いつも恐れます。家族の人間関係が難しいとき、仕事がうまくいかない、お金のやりくりで絶望する、そういう難しい状況を見るといつも不安になり、恐れてしまいます。
せっかく神が恵みの世界へ招いてくださったのに、そこに行き着く前に沈んでしまいそうになり、ダメになってしまうような私たちの弱さがあります。強そうに見えるが、実は弱い自分を認めたいと思います。
「私を助けてください、あなたの助けなしには溺れてしまいます」とペテロが思わず水の中に沈み込みながら叫んだように、弱さ、足りなさ、もろさを胸に抱え込んでいる私たちも、主なる神の助けを頂くべき者であることを素直に認めましょう。
3. 弱さの中に信仰成長の伸びしろがある
イエスはペテロに、あなたの信仰は弱いと言いましたが、それは強くなる成長の可能性があったからです。主は私たちの中にも、どんなに弱くても失敗が多くても、可能性や将来の成長を見てくださっています。弱さの中に伸びしろがあるとイエスに教えられて前進していきましょう。
ペテロもイエスの恵みに従って、神の祝福のある別次元へと足を踏み入れたのでした。周りの状況ばかりを見て、不安や心配事でいっぱいになるのではなく、イエスに目を向け続けましょう。私たちを招き導いてくださるイエスがそこにいます。弱さを抱えた私たちですが、イエスを見つめ続け、信仰が成長するように、この秋の日にも全力で取り組んでいきましょう。
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