ゴスペル音楽を通じて子ども虐待防止オレンジリボン運動を啓発する「オレンジゴスペル全国ツアー2017」(オレンジゴスペル実行委員会主催)が、10月27日の千葉会場を皮切りに全国各地で開催される。子ども虐待防止オレンジリボン運動の本部、NPO法人児童虐待防止全国ネットワークが共催する。
オレンジゴスペルは、米国から一流アーティストを招き、ゴスペル音楽を通じて子ども虐待防止への関心を持ってもらおうと、2011年から始まった音楽イベント。「合唱が1人でできないように、子育てもみんなで!」をスローガンに、全国各地でイベントを開催している。
ツアーを企画するのは、ニューヨーク在住の音楽プロデューサー、打木希瑶子さん。打木さんは2004年、結婚のため11歳の息子と共に渡米するも、結婚後すぐに夫が家庭内暴力(DV)の加害者へと豹変(ひょうへん)してしまった。その後、うつ病を発症し、一時はホームレス生活も経験した。
プロデューサー業を休止し、自殺願望に悩ませられながらもカウンセリングを受け、夫との裁判を行ううちに、DV加害者もまた元被害者である可能性が高いということ知り、「DV撲滅」のために立ち上がることを決意した。
ニューヨークでの講演活動と合わせて、日本では市民ボランティアと共にオレンジゴスペルをスタートさせた。各会場では、子育てや虐待防止に関する講演やトークショーも取り入れ、子ども虐待防止オレンジリボン運動の啓発グッズも配布している。
今年来日するのは、4オクターブの音域を持つボーカリスト、ナンシー・ジャクソン・ジョンソン。1999年には「Crazy Praise」が大ヒットし、ステラ賞にノミネートされた。最近では、グラミー賞受賞プロデューサーが集結して制作した「The Heart of Nancey」をリリース。自身も子育て中の母親であることから、オレンジゴスペルの趣旨に賛同し、昨年に続き再来日が決定した。
国内参加アーティストも、来日するナンシーに引けをとならい実力者ばかり。NHK総合で放送された「響けぼくの歌・木下航志14歳の旅立ち」から13年目を迎える盲目のアーティスト木下航志、2014年に全米デビューした Nob、歌うま高校生として現在CMで注目されている鈴木瑛美子、昨年米国でCDデビューした和洋混成バンド Neo Japanesque など、オレンジゴスペルの趣旨に賛同したアーティストたちが、各会場に友情出演する。
また、イベントの中で行われるトークショー「オレンジトーク」には、各地域のNPO理事、虐待被害経験者、子育てしやすい職場環境を持つ企業代表者らが、打木さんと対談する予定だ。
オレンジゴスペルは、各会場のイベント入場料や協賛金、寄付によって支えられている。寄付は、以下の口座で受け付けている。5千円以上の寄付者には、オレンジゴスペルコンサートが収録されたDVD(非売品)を贈呈している。
<オレンジゴスペル寄付専用口座>
みずほ銀行吉祥寺支店
普通1643828
オレンジゴスペル実行委員会募金口
各地の開催日程についての詳細は、オレンジゴスペル公式サイト。