日本国際飢餓対策機構(JIFH、大阪府八尾市)の新理事長に清家弘久(せいけ・ひろひさ)前常務理事(58)が就任した。任期満了による役員改選によるもので、9月9日に開かれた評議員会で決定した。
同機構は1981年、「世界の飢えた人々に食料と愛を」を標語に、イエス・キリストの精神に基づいて活動する非営利の民間国際協力団体(NGO)として始まった。設立当初から、全国のキリスト教会を中心に支援者を集め、これまでに海外6カ国に国際飢餓対策機構(FH)を設立。特に、韓国国際飢餓対策機構(KFHI)の発足に寄与した。現在、国内には大阪、東京、愛知、沖縄に事務所があり、国際飢餓対策機構連合の一員として、18カ国約50の協力団体と共に活動している。
清家氏は1984年に大阪経済大学卒業後、93年から同機構の国際協力総主事として働き始め、海外派遣スタッフの責任を持つ。また、エチオピア(2000年)、アフガニスタン(02年)、インドネシア(05年)、中国(08年)、ハイチ(10年)など、30カ国以上に及ぶ国に緊急援助活動などのために訪れている。10年から常務理事となり、13年〜16年には関西地域のNGOなど35団体が加盟する関西NGO協議会の代表理事も務めた。
同機構は目標として「ハンガーゼロ(世界の飢餓をゼロにする)」の実現を掲げている。国連総会で2015年に採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」では、全17目標の最初の項目として貧困と飢餓の撲滅を掲げており、「ハンガーゼロ」は国際社会が目指す目標でもある。清家氏は、この目標実現のために国際的な協力とさらなる支援者が必要だとして、次のように話す。
「私たちは全世界の国々に約50のパートナーがいます。共に協力し合い、祈りつつこの大きな目標に取り組んでいきたいと願っています。そのためには日本国内により多くの協力者が必要です。今まで支えていただいている支援者の方々は言うまでもありませんが、さらに支援者の輪を広げていきたいと願っています。
そのために新しく評議員、理事に加わっていただいたのは、北海道から沖縄に至るまで全国各地で飢餓啓発の働きを担っていただける牧師、会社役員、弁護士、医師、教育関係者、宣教団体役員など、さまざまな分野で活躍しておられる方々です。これからも飢餓対策の活動のためにお祈りいただき、ご協力ください」