【CJC=東京】ウクライナ正教会は、1991年の独立後、キエフ総主教座もモスクワ総主教座から分離、モスクワ側に属する派とに分裂しているが、キエフ大公ウラジミールがビザンチン帝国の正教受容を988年に決めたことを祝う式典が、7月26日から3日間、首都キエフで行われたのを機に緊張が高まった。
きっかけは、ヴィクトル・ユーシェンコ大統領が、式典にアレクシー二世モスクワ総主教と共に、各国正教会では最高位とされているコンスタンチノープルのバルソロメオス・エキュメニカル総主教を招いたこと。
朝日新聞によると、ウクライナ当局は式典の間、アレクシー二世の肖像掲載を制限、両総主教による記念のミサからもモスクワ側の多くの信徒を閉め出し、バルソロメオス総主教を優遇、ロシア外務省が抗議する事態となった。
ロシア紙『ガゼータ』は、「ウクライナの信徒が民族派正教会に流れる傾向は顕著」と見ている。