エジプトは、過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出した教会の爆破テロ事件3件に関与した容疑で、48人を同国の軍事裁判所に起訴した。
中東の衛星テレビ局「アルジャジーラ」(英語)によると、エジプトの検察庁が5月21日に発表した。一方、容疑者48人のうち31人はすでに拘束されているが、17人はまだ捕まっておらず、逃亡中だという。
ナビル・サデク検察官は、被告人の一部はISの指導者らだとし、ケナ県南部や首都カイロで、教会の爆破を計画するための実行グループを組織したと話している。
エジプトではこの半年の間に、コプト正教会を狙った自爆テロ事件が3件発生しており、いずれもISが犯行声明を出している。
1つは、昨年12月にカイロのコプト正教会が爆破された事件で、27人が死亡した。今年4月には、パームサンデー(聖枝祭)の日曜日に北部の都市タンタとアレクサンドリアにある教会で自爆テロ事件が発生し、少なくとも45人が死亡、100人以上が負傷した。
容疑者らは、リビアとシリアにあるISのキャンプで訓練を受けたと考えられている。この他、警察官8人が死亡、3人が負傷した今年1月の襲撃事件でも告発されている。また2月には、エジプト北部でコプト正教会に対する暴動を扇動したとされている。
一方、容疑者48人の起訴が発表されてから1週間もたたない5月26日には、中部ミニヤ県で、コプト正教徒を乗せ修道院へ向かっていたバスが覆面の男らに襲われ、少なくとも28人が死亡、25人が負傷する事件が発生した。ISはこの事件に対しても犯行声明を出している。