中国ニュース通信社の「レコード・チャイナ」は8日、中国のキリスト教徒が7000万人を突破し、7400万人を超す中国共産党員にも匹敵する勢いであることを、米紙「シカゴ・トリビューン」の情報として伝えた。
同紙は、増加の原因について「官僚の腐敗が横行し、社会全体が病んでいる。そんな中、キリスト教は人々に正しい道徳観を説いた」と分析。キリスト教徒の増加に伴い、対欧米関係にも影響があるのではないかと見る一方、それまでには依然として時間が必要であることを指摘した。
また、中国における「信教の自由」に関する問題を指摘。法律的には信教の自由を謳っているが、当局による厳しい監視や制限があるとして、胡錦濤国家主席の発言「宗教の信徒とも一致団結して、繁栄社会を築いていくべき」を引用するなど、現状を非難した。
8月から始まる北京五輪では、中国の宗教に対する姿勢が注目されているが、北京五輪組織委員会は昨年、宗教的、政治的な活動、表現に関わるパンフレットなどを選手村へ持ち込むことを禁止することを決めた。今年6月には、外国人が五輪開催時にまもるべきことをまとめた「法律指南」を発表。「市内だけでなく五輪競技場などで宗教、政治、人種に関するいかなるスローガンを掲げることも禁止する」という。
しかし、開催数カ月前になり、四福音書が収められた小冊子5万冊が英語と中国語で印刷され、開催中に選手村で入手可能となったほか、中英両語併載の旧新約聖書1万冊と新約聖書3万冊を提供することも同委で承認されたことが明らかになっている。