【CJC=東京】米長老教会(PCUSA)は第218回総会を6月21〜28日にカリフォルニア州サンノゼで開催した。
総会議長には「緊急教会」運動の指導者ブルース・レイエス=チョウ牧師(39、サンフランシスコ)が2回目の投票で選出された。副議長にはバイロン・ウェイド牧師(45、ノースカロライナ州ローリー)が選任された。
引退するクリフトン・カークパトリック書記の後任に、総会は4人の候補者の中からグラディ・パースンズ副書記を最初の投票で選出した。
総会で取り上げられた1000近くの議題の中で、同性愛者の聖職叙任、中東和平、人種差別など注目される決定が行われたことを、同派のプレスビテリアン通信によってまとめた。
教会役員に「男女間の結婚誓約に誠実であるか、単身者として貞潔」を求めている条項を規則から削除する修正案を中会に送ることを総会は380票対325票で決定した。その代わりに、役員候補者が教憲における叙任の誓約に同意することを求めることを提案している。
一方で総会は、教憲における結婚の定義を「男性と女性」から「2人」に変更するとの提案を540票対161票で否決した。
中東問題では、イラクで平和を求めているすべての人々の努力を確認したものの、米軍の即時撤退要求までには至らなかった。ただイランへの先制攻撃には反対を決議した。
総会は547票対149票で、キリスト者、ユダヤ教徒、イスラム教徒の間に寛容と平和な関係を求める声明を承認した。総会は、「人類に神がどのように啓示されたか」について3宗教が異なった理解を持っていることを認めつつも、神と隣人への愛と貧困者への配慮について関わりを共有している、と指摘した。
総会は、ハイデルベルグ信仰問答を現行訳から1562年のドイツ語原文に沿ったものに修正することを436票対280票で採択した。同派は1962年、信仰問答第87の回答に「性的倒錯」という表現を挿入、67年にはそのまま『諸告白書』に収録された。この修正に同調した教派はない。
また『諸告白書』に1986年南アのオランダ改革派ミッション教会が起草したアパルトヘイト(人種隔離政策)など人種差別の罪に言及したベルハル告白を収録する過程に着手することを536票対154票で採択した。
総会は「21世紀の社会信条」を、552票対110票で採択した。あたかも20世紀を迎え産業時代の厳しさに言及した1908年の「社会信条」からまさに100年後の採択となった。
現在、各派で検討されている新信条は、報酬の平等、就業に際しての健康と安全強化、正義の回復による犯罪者の更生、死刑廃止、貧富格差を減少させる税制や財政、住宅供給、資源の持続可能な利用、正統な移民政策などを訴えている。
総会は「私の人たちを慰めなさい=深刻な心の病に関する方策声明」を採択した。声明は、長老派が、心の病の問題について教育と支援を強化し、深刻な心の病を持つ人たちとその家族をもっと受け止めるように働くこと、教会と世界に見られる、深刻な心の病に対する恥ずべき差別を終わらせるように求めている。
デトロイト中会の招請に応え、2014年の総会を同地で開催することとした。10年はミネアポリス、12年はピッツバーグでの開催が決まっている。