その夜、主がパウロのそばに立って、「勇気を出しなさい。あなたは、エルサレムでわたしのことをあかししたように、ローマでもあかしをしなければならない。」と言われた。(使徒の働き23章11節)
アンデレ宣教神学院で学ばれた野田新弼兄弟の告別式に昨日出席しました。この方は当時の高等小学校までしか教育を受けていなかったのですが、何の学歴も後ろ盾も持たないこの一人の兄弟を通して、生涯に20を越える事業が興されました。高校設立から始まり、自動車学校や介護施設、幼稚園などを設立したのです。
出席された方々からは、兄弟のクリスチャンとしての生き様や証が次々溢れてきて、祈りがあり御言葉があり、クリスチャンとして与えられた生涯を生き抜いていくことは本当に素晴らしいと思わされ、喜びと感謝と平安に満たされてその告別式から帰ってきました。
帰りの飛行機の中で、後ろの席に結婚式の帰りらしい人たちが座っていました。でも、何となく話を聞いていると言葉が刺々(とげとげ)しくみんな機嫌が悪いのです。
私は葬儀に出て恵まれて、後ろには結婚式に出て不機嫌な方々がいる。クリスチャンであることは本当に感謝なことだなと、私は改めて思わされました。2008年の前半を感謝をもって締めくくり、2008年の後半を神と共に歩むことができる人生を心から感謝しましょう。
クリスチャンの毎日というのは空想や理論ではなく、現実の人生が伴います。今日読んだ箇所で、まさにパウロは人生の現実を歩んでいました。
この章に至るまで、パウロはすでに3度の伝道旅行に出ています。交通機関もなく情報も届かない時代です。非常に危険な旅で、盗賊に襲われ、船は難破し、人々の誤解や迫害を受けました。
その旅の後、パウロは神から促されエルサレムに戻ります。十字架にかけられ死からよみがえったイエス・キリストだけが救い主だと語り始めると、エルサレムの町は騒然となり、パウロはローマ軍に捕らえられてしまいました。彼は大混乱の中で、喜びや平安などは無かったでしょう。いつも命の危険があり、気の休まることがなく、疲れ果てていたことでしょう。そういう状況の中で神がパウロに語った言葉が今日読んだ箇所です。
クリスチャンとして歩みを始めるとき、どんなときも神が一緒にいて下さることを忘れてはいけません。主が共にいて下さることには、3つの大きな意味があります。
1.勇気を出しなさいと声を響かせて下さる
救い主であるイエスは、悲しみや混乱、不安や落ち込みの中にある私たちの心に、一番必要な言葉で語りかけて下さるのです。クリスチャンであるあなたは、実は最も頼りになる励まし、導き、守りを頂いているのです。
イエスがあなたと共にいることを忘れなければ、あなたに一番必要な声は主から必ずあなたの心に響きます。
2.物語は続いていく
パウロの物語は、エルサレムからローマへと続くのです。同様に、神は私たちの人生に刹那的(せつなてき)に働かれる神ではありません。主の計画は人生を貫く物語として動いているのです。私たちは、仕事でも子育てでも夫婦関係でもすぐに一喜一憂します。落ち込み悲しみ、その一瞬が人生の全てだと思い込んでしまいます。しかし主は、私たちの人生全体を導き祝福して下さるのです。絶望的な状況の中でも、神のご計画が動き続けると信じて歩んでいくと祝福を頂くことができます。
神はあなたの人生、将来へ向けて計画をお持ちです。だから、神と共に歩む人生は絶対に大丈夫です。
3.1対1の関係を持って下さる
神が共にいる人生は、神と語り合う仲です。神が、「あなたと私」と語りかけて下さる1対1の関係です。イエスは私たち一人一人を個別に、あなたと私、と呼び合う関係に置いて下さるから感謝です。パウロが危険な伝道旅行に行くことができたのは、イエスがパウロと1対1の関係を持って下さり、導き続けて下さったからです。
救い主であるイエスが私たちと共にいて下さるという約束を忘れてはなりません。
あなたの生活の中、人生の現実の中に、一番必要な声が神から響きます。そして、一時的にではなく将来へ向けて主が備えて下さる恵みがあることを信じましょう。さらに、イエスが、あなたと私と呼んで下さる究極の親しい関係に置かれていることを喜びましょう。
あなたの祈りは主が受け止めて下さいます。この半年も主と共に勝利を受け止めてまいりましょう。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。