中国は「世界的な霊的大リバイバル」のただ中にある――。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙の北京特派員時代に、中国の法輪功に関する報道で米国のジャーナリズムで最も権威のあるピューリッツァー賞を受賞したジャーナリスト、イアン・ジョンソン氏(54)が最近、新刊を出版し、中国のキリスト教会が社会に大きな影響を与えていると述べている。
中国の「霊的変化」は世界に影響を及ぼす可能性があり、世界の大国は注目すべきだとジョンソン氏は言う。米キリスト教テレビ局CBNとのインタビュー(英語)では、「民衆は新しい道徳的道しるべを模索しています。社会を編成する、ある種の倫理指標をです」「民衆は社会の再編を促す価値観の源泉として、宗教に目を向けています」と語っている。
ジョンソン氏が、中国の「宗教革命」の原動力として注目するのは、中国政府に登録も公認もされていない「家の教会」だ。米アトランティック誌(英語)には、ジョンソン氏の新刊『The Souls of China: The Return of Religion After Mao(中国の魂:毛沢東後の宗教の復活)』の一部が掲載されており、その中で同氏は「このグループは驚くほどよく組織化されています。公然と集会を行い、多くの場合、何百人もの会衆がいます」と述べている。
「少なくとも6千万人の共産党員がいるといわれる現在、家の教会は、100万人ほどしかいなかったプロテスタント信者の急増に大きく貢献しました」
米調査会社「ピュー研究所」によると、中国のキリスト教人口は1949年には100万人程度とみられていたが、2010年には5800万人まで急増。中国共産党は家の教会の急速な成長に対し依然と強く対抗しているものの、信仰を求める民衆の動きに歯止めが掛けられていない。
「普通に中国を訪れるだけでも、教会やモスク、寺院の数が近年急増しており、その多くが満員であることが分かります」とジョンソン氏。「問題は多々ありますが、宗教を表現する機会が急速に拡大し、中国の信者はその機会を意欲的に用いています。民衆は、伝統的な道徳をとうの昔に捨て去った社会を、根底から支える新しい概念や価値観を探し求めているのです」と言う。
「非常に多くの中国人が社会に対する不信で疲れ切っており、その答えを求めて宗教や信仰に目を向けています。民衆を取り囲んでいる環境は急進的に世俗化しており、そこには答えが見つからないのです」