立教大学(東京都豊島区)は、「”キリスト教精神に基づく教育”を21世紀に継承し、日本におけるキリスト教学・神学研究の拠点を形成する」ことを目的に、09年度から新しく「キリスト教学研究科」を開設する。自由な視点と精神で、キリスト教学の幅広いテーマに取り組み、「キリスト教」をアクセスポイントとして、人間・世界、歴史・社会、芸術・文化を理解することが可能な専門的人材育成を目指す。
同大にはこれまでキリスト教関係では、文学部内にキリスト教学科、付属機関としてキリスト教教育研究所があったが、今回、大学院にキリスト教専門の研究科として同研究科が設置される。
同研究科は、キリスト教学専攻(博士課程前期課程・後期課程)で構成され、特定の教派にとらわれることなく、「神学・思想」「聖書・歴史」「芸術・文化」「フィールドスタディ」「教会音楽」の5つの分野で研究を行う。
前期課程は、キリスト教学に関する高度な研究・教育を行う「キリスト教学研究コース」と、教会教職者やチャプレン、聖歌隊などキリスト教ミッションの現場で2年以上の実務経験がある人を対象とした「ウィリアムズコース」の2つに分かれている。
前者は、同研究科の中軸となる本科コースで、2年間で修士(神学、または文学)の学位が取得可能。後者は、同大の創設者であるチャニング・ムーア・ウィリアムズ主教を記念するコースで、30単位以上を取得し、課題研究報告書審査で合格するなどの条件を満たせば、1年間で修士(実践神学)の学位を取得できる。後期課程では博士(神学、または文学)の学位を取得可能。
同大は、米国聖公会の宣教師であったウィリアムズ主教が1874年、聖書と英語の教育を目的として、東京・築地の外国人居留地に私塾を開いたのが始まり。同地には当初からキリスト教宣教師らが主に居住したため、青山学院や明治学院などの発祥の地ともなっている。