【CJC=東京】AFP通信によると、19世紀ポーランドの音楽家フレデリック・ショパンは39歳のとき肺結核で亡くなったとされるが、死因が「嚢胞性線維症」であると主張するポーランドの医学研究者らが、文化省に対してショパンの心臓のDNA鑑定を認めるよう要請している。
心臓は、ワルシャワの聖十字教会に埋葬されている。彼の意向により、1849年に姉によってポーランドに持ち帰られたものだ。第二次世界大戦中に教会堂の3分の1はナチスによって破壊され、ショパンの心臓も持ち出されたが、戦後教会は修復され、ショパンの心臓も元に戻された。なお、遺体はパリのペール・ラシェーズ墓地に埋葬されている。
嚢胞性線維症の専門家、ウォイチェフ・シシイ氏は、ショパンの幼少時代からの「虚弱体質、肺感染症にかかりやすい体質、ぜんそく、せき」などの症状は嚢胞性線維症に典型的なものだと言い、「彼が嚢胞性線維症だったことを立証できれば、同じく嚢胞性線維症の患者、特に子どもにとっては、自分だって大きなことを成し遂げられるんだという大きな勇気になる」と語った。
なお、聖十字教会側は、DNA鑑定に関してなんの連絡も受けていないとしている。文化省は、現在行われている研究を考慮して「適切な決定」を下すとしている。