英国国教会の総本山であるカンタベリー大聖堂(英ケント州)で18日、フリーメーソンの結成300年を「祝う」礼拝が行われる。フリーメーソンの大親方(グランドマスター)である英国のエドワード王子(ケント公爵)も出席する。
礼拝は18日午後に3時間余りをかけて執り行われる。その間、大聖堂はフリーメーソンの会員で満席になると見込まれている。
英国のケント、サリー、サセックスの3州のフリーメーソンたちが、同大聖堂のために昨年末まで20万ポンド(約2840万円)の寄付を募ったことで、礼拝の開催が決まったという。寄付の募集は、大聖堂北西翼廊の修復工事のためのもので、実際には目標額を上回る30万ポンド(約4260万円)が集まった。
独立慈善団体「カンタベリー大聖堂基金」の後援者でもあるエドワード王子は、18日の礼拝を司式する同大聖堂首席司祭のロバート・ウィリス博士の賓客として出席する。また出席者には、ケント、サリー、サセックス各州のフリーメーソンの上位階級者も含まれている。
礼拝開催と寄付金の間に関係はあるのか、と尋ねられた同大聖堂の広報担当者は「確かにそうです」と答えた。
同大聖堂はこの件について、「ケント州東部のフリーメーソンを代理しての招待」の中でも公表している。招待文には、次のように記されている。
「フリーメーソンはカンタベリー大聖堂を長年にわたり支援しており、聖堂の必要不可欠な修繕や、フリーメーソンの多くの徒弟たちの訓練に資金援助することを喜びとしてきました。300年記念を祝して、サセックス州、サリー州、ケント州のフリーメーソンによる合同寄付が行われ、大聖堂の北西翼廊の修復を支援するために30万ポンドの寄付金が集められました。この30万ポンドは、フリーメーソン結成300年を祝うものです」
同大聖堂はまた、礼拝は「満席が見込まれている」としている。フリーメーソンのケント州東部支部には、6千人余りの会員と184カ所のロッジ(集会)がある。
カンタベリー大主教の広報担当者はコメントを控え、同大聖堂に問い合せるよう語った。