2月11日の「建国記念の日」に対して異議を訴えるキリスト教界では、この日を「信教の自由を守る日」とし、各地で集会が開催される。信仰者として憲法や政治について学び、考え、祈りの時を持つ。
「建国をしのび、国を愛する心を養う日」として2月11日が建国記念の日として国民の祝日に制定されたのは1966年。50年以上にわたり一般に受け入れられてきた「祝日」をキリスト教界が危険視するのは、建国記念の日とされる2月11日が、日本神話に登場する神武天皇の即位の日「紀元節」に由来するからだ。
明治時代に始まった紀元節は、戦前まで全国の神社で「紀元節祭」が催され、地域では「建国祭」が行われるなど、国家神道体制を確立させる特別な日だった。終戦後、戦前の天皇制を一新するというGHQの意向のもとで紀元節は廃止されたが、「建国されたという事象そのものを記念する日」という解釈のもと、紀元節に代わって「建国記念の日」が設置されたという経緯を持つ。
集団的自衛権の行使を認める安全保障関連法が強行採決され、平和主義を規定する憲法9条改正への動きが具体的に進む中、各地の集会では、過去の戦争の反省に立ち、福音に根ざした平和の構築を呼び掛ける。
東京近郊で予定している集会は以下の通り。
【東京】
第25回関東三地区2・11集会(同主催)
「『非戦』と平和形成―キリスト教信仰と社会科学の間で―」
日時:2月11日午後10時半~
場所:日本福音キリスト教会連合キリスト教朝顔教会(東京都世田谷区松原2-29-19)
講師:長谷部弘(東北大学教授)
問い合わせ:0424・71・2448
【東京】
2・11信教の自由セミナー(日本同盟基督教団「教会と国家」委員会主催)
「~改憲後の日本を見据えて~平和をつくる者として―戦争被害者・加害者。ふたつの視点で今を見る―」
日時:2月11日午前10時半~
場所:日本同盟基督教団中野教会(東京都中野区東中野2-21-7)
講師:安海和宣(東京めぐみ教会牧師)
問い合わせ:090・8560・4557
【東京】
憲法とわたしたち連続講座その48「改めて憲法に習熟しよう」(同実行委員会主催)
日時:2月11日午後2時~
場所:国立市公民館(東京都国立市富士見台2-47-1)
講演者:西川重則(日本キリスト教協議会靖国神社問題委員会委員、重慶大爆撃の被害者と連帯する会東京事務局長)
料金:500円
問い合わせ:042・574・9210
【東京】
第51回なくせ!建国記念の日 許すな!靖国国営化 2・11東京集会(同実行委員会主催)
「信じたように生きる―次世代とともに―」
日時:2月11日午後2時~ 終了後デモ
場所:日本韓国YMCA(東京都千代田区猿楽町2-5-5)
講師:大嶋重徳(キリスト者学生会総主事)
料金:800円(高校生以下無料)
【東京】
特別講演会「平和をつくるために~日本ホーリネス教団戦争責任告白と今日の課題~」(日本ホーリネス教団歴史編纂委員会、福音による和解委員会共催)
日時:2月13日午後4時15分〜
場所:日本ホーリネス教団本部(東京都東村山市廻田町1-30-1)
講師:関田寛雄(青山学院大学名誉教授)
問い合わせ:042・394・7466
【東京】
日本キリスト教連合会定例講演会「今、キリスト教の公共的役割を問う―日本宣教500年?」(同主催)
日時:2月14日午後6時半〜
場所:牛込聖公会聖バルナバ教会(東京都新宿区矢来町65)
講師:稲垣久和(東京基督教大学教授・共立基督教研究所長)
問い合わせ:03・5228・3171
【埼玉】
信教の自由と平和を求める2・11集会(日本基督教団埼玉地区社会委員会主催)
「『社会主義国家を生きるキリスト者』~中国の教会と信教の自由~」
日時:2月11日午前10時~ 講演後、講師を囲んでの懇談会あり
場所:日本基督教団上尾合同教会 (埼玉県上尾市富士見2-3-33)
講師:薛恩峰(しゅえ・えんふぅん、桜美林大学チャプレン)
参加費:500円
問い合わせ:0480・22・2424
【埼玉】
日本バプテスト連盟北関東地方連合社会委員2・11集会(北関東地方連合社会委員会主催)
「現代の政治状況と私たちの責任~信仰者として歩むために、共に学び、祈ろう!~」
日時:2月11日午後1時半~
場所:日本バプテスト浦和キリスト教会(埼玉県さいたま市浦和区常盤7-2-14)
講師:石川裕一郎(聖学院大学教授)
問い合わせ:090・3452・7341