イエス・キリストを主と受け入れながらも、その後の生活が上手くいかないと感じる人は意外と多いのではないだろうか。同書は、聖書の言葉を「わかりやすく、より実践的に、生活に適用できるように」をテーマに、神に出会ってからどういう生活を送ればいいのか迷っている全てのクリスチャンに贈る実践ワークブック。天国人のライフスタイルを体得するための「いつも喜んでいる人」シリーズ第2弾。
著者は、御言葉の泉にひたり、聖霊の喜びに満たされる「新しい皮袋」の人たちのためのバイブルスタディー「よろこび研究会」代表で、檜原福音教会教師の奥田英男氏。喜びが奪われている現代において、人間が本来歩むべき喜びの人生を回復させるメッセンジャーとして、各地で公演も行っている。また、32年間黒字経営を続け、不動産・建築業界において「奇跡の会社」と呼ばれる有限会社オクダ商事、オクダ建設株式会社両代表取締役社長でもある。
全てのクリスチャンが祝福の道を歩み続けることを願って書かれた同書は、たましいの救い/バプテスマ(洗礼)/礼拝/賛美/教会(エクレシア)/十分の一/祈り/信仰/赦(ゆる)し/悔い改め/みことば/十字架/福音/従順/王と祭司/愛/安息の17のコンテンツで構成される。それぞれの章の中で多くの御言葉に出会い、多くのことを学ぶことができるが、著者が同書を通して終始訴えるのは、実にシンプルな御言葉、「しかし、イエスは言われた。『いや、幸いなのは、神のことばを聞いてそれを守る人たちです』」(ルカ11:28)だ。
同書には、多くの聖書の言葉が記されている。著者は「はじめに」の中で、聖書は人々を幸せにするために書かれた神からのプレゼントだと述べ、「これを行えば、必ず幸せになる」と神が語られていることを明言する。
幸せになるためにすべきことは、神からの約束は必ず実現すると信じ切ることと、それを実践することの2つだ。しかし、元罪人であり、さらに悪魔の力が至る所に及んでいる世の中で、それらを守ることは容易なことではない。同書は、そのことを見据えて、信仰生活において重要な17の事柄を取り出し、そこで神が聖書で語られていることを分かりやすく教え、クリスチャンが「世の文化」を捨て、「天の文化」に生きられるように導いてくれる。
異なった文化の国に行った場合、そこでの文化を学ばなければ、その国で生きてはいけない。著者は、神の国も同様に考え、そこにはこれまで生きてきた世の中とは違う文化があり、それに基準を合わせなければ神の国で暮らすことはできないというのだ。
著者が語る「天の文化」とは、「神を愛すること。自分を愛し、同様に人々を愛すること」だ。そのためには、祈ること、礼拝すること、洗礼を受けること、エクレシア(教会)に所属することなど、神の子としての恵みによる生活文化を体得し、さらに悪魔に勝利する必要がある。
悪魔が支配する世界で、悪魔に勝利することはとてつもなく難しいことだが、感謝すべきことは、私たちにイエス・キリストという素晴らしい模範を与えてくださっていることだ。クリスチャンは、イエスに倣えば間違いなく悪魔に勝利できることが約束されている。同書は、その戦いを通して、キリストの似姿に変えられていくこと(聖化)も約束されていることを教える。
著者は同書の中で、コロサイ1:27やⅠペテロ1:21、ヨハネ17:22を引用し、「信仰者は自分ではなくイエス・キリストを見る」と述べている。また、「イエス・キリストが私たちの型であり、天の神様は、私たちにイエスのように生きてほしいと願っている」とし、「私たちは神と1つ」と記す。
さらに、ローマ8:29、Ⅱコリント3:16~18から、聖書を読み、主イエスの生き方から目を離さなければ、御霊により、鏡のように彼の似姿が自身に映し返され、栄光から栄光へと変えられていくと強調する。
「救われたはずなのにどうして・・」と悩んでいるクリスチャンは、同書を1章でもいいので読んでほしい。そこには、悪魔に勝利するための秘訣と、クリスチャンに対する神の驚くべき計画が記されている。神の大いなる愛に励まされるだろう。
奥田英男著『祝福を受ける人のBibleノート』2016年11月1日初版、ミリオン・スマイル、定価1800円(税別)