2008年のミス・アメリカに輝いたキルステン・ハグランドさん(28)が、キリスト教系の非営利団体「アイ・アム・セカンド」の動画(英語)に出演した。12分間の映像の中でハグランドさんは、摂食障害との闘い、またその闘いの中でキリストに希望を見いだしたことを語った。
「摂食障害はとても恥ずかしく、不名誉なことだと思われています」とハグランドさん。「私は自分の摂食障害の経験、そして回復した今の自分が感じている自由を分かち合うことが、摂食障害に悩んでいる他の人々に希望を与えることを望んでいます。自分が独りではないこと、摂食障害は重大な問題ですが、克服できることを知ってほしいのです。美しく、満ち足りた、自由な人生を送ることができるのです」と語った。
ハグランドさんは現在、摂食障害の啓蒙活動家として全米を飛び回り、摂食障害や気分障害、さまざまな中毒、PTSDなどに苦しむ女性たちの治療を行うティンバーライン・ノールズ居住型療養施設(イリノイ州)で人間関係の専門家として働いている。
アイ・アム・セカンドは、神と他の人々のために生きるように人々を励ますことを目的として、08年にテキサス州ダラスで設立された非営利団体。これまでに、俳優やスポーツ選手、音楽家、ビジネスリーダー、薬物依存症の元患者たちが、自分の回復の体験談と希望を、アイ・アム・セカンドを通して伝えてきた。
ハグランドさんは、状況を見かねた両親が最終的に彼女に摂食障害の治療を受けさせることを決めた当時のことを語った。
「私は叫び声を上げたり、泣いたりしていました。私は母が自分を裏切って、医者に連れて行ったことで、母にとても怒っていました」。ハグランドさんは初め、素直に治療プログラムに従っていると両親に思わせるため、少しだけ体重を増やそうとした。そして、まんまと家に帰ることができたら、もう一度摂食障害に戻るつもりだったという。
「しかし、神様を欺くことはできないと私が理解し始めたのはその時でした。神様はあらゆるものを見ておられます。神様は、人の目をごまかすための私の良い子のふりはお見通しで、不満で、腹を立てていて、そして不安で恐怖に満ちているありのままのキルステンを見ていたのです」
治療プログラムに入ってから6カ月後、ハグランドさんは、ランニングマシーンで走っている間に気を失いそうになった。その時、ハグランドさんの感情が火山のように噴出した。
「私は、自分が再びピザを食べたい、誕生日のケーキも食べたい、そして世界中を旅してみたいと思っていることに気付きました」
続く2年間、ハグランドさんは健康を取り戻すための闘いを続けた。
そして11年、ハグランドさんはティンバーライン・ノールズ居住型療養施設の奉仕チームに加わった。ハグランドさんはそこで人間関係の専門家として働きつつ、摂食障害からの回復のストーリーを伝えるために全米を巡っている。
また、摂食障害の治療を求める家族と個人に経済的援助を提供するために、自身の名前を冠した「キルステン・ハグランド財団」を設立。12年には、全米摂食障害協会の親善大使にもなっている。