【CJC=東京】ドイツのキリスト者は減少する一方で、教会が資金難に陥っている。元来、教会の事業は非課税とされ、運営費は「教会税」でまかなわれ、牧師や司祭は「公務員」扱い。「宗教はキリスト教」と申告しなければ、所得税の1割弱の「教会税」は徴収されないから、それも減少の理由とされている。とにかく学校や幼稚園の経営や国内外の伝道・布教、さらには老人ホームなど社会福祉・奉仕の活動費をまかなうのは容易なことではなく、コスト削減のためスタッフを削減し、会堂を他の用途に宛てたり、リースに出した教会もある。
独立系のIPS通信が、ついに「身売り」してレストランとなった教会も出たと報じた。
ドイツ国内約3万5000の教会の敷地は合計700万平方メートルに達する。しかし、今後全国の教会の30〜40%が閉鎖される可能性があるという。
2000年の教会収入は、総額88億ユーロ(1ユーロは157円)だったが、03年には85億ユーロ、04年には70億ユーロに減少している。信者数も、1990年には2800万人から、カトリックで約200万人、プロテスタントで400万人減少している。
IPS通信によると、ベルリン、ハンブルグ、ケルンなどの都会で資金難が目立ち、ベルリンでは、1894年に建設されたルーテル教会の取り壊しを避けるため2002年、ベルリン・アメリカン教会(ACB)へのリースを決定、現在ではACBの所有となっている。
アーヘンでは、スタッフの3分の1を削減した教会もあり、ビールフェルトでは、1897年建設の聖マルチン教会がレストランに変身したという。