日本キリスト教協議会(NCC)は1日、東京拘置所に拘留されていた死刑囚4人の死刑が先月10日、鳩山邦夫法務大臣の命令によって執行されたことに対して、抗議する声明を同協議会のホームページ上で公開した。
同協議会は声明で、「他者のいのちを奪う過ちを仮に犯してしまったとしても、そこには死刑を確定させられた者が背負わされてきた、また背負ってこざるを得なかった『痛み、苦しみ、存在価値の否定、関係づくりの拒絶』といった被害体験が必ず含まれている」と主張。加害の事実とともに、加害者が受けた被害体験についても公にし、「癒していく時と場」が必要だとした。
また、被害者遺族の加害者へ対する怒りは当然だとしつつも、加害者に最も求められることは、いのちを奪ったことに対する誠実な応答を含む「真の謝罪」だとし、「加害者がいのちを奪う道になぜ巻き込まれてしまったのか」を伝え合う場の必要性を訴えた。
日本の死刑制度については9日、国連人権理事会による初の対日定期審査が実施され、欧州諸国を中心に12カ国が日本に対して死刑執行停止や死刑制度の廃止を求めた。特に、昨年12月に国連総会で死刑執行の一時停止を求める決議が採択されたにもかかわらず、日本で死刑執行が増加していることについて説明を求める声が上がった。
これに対して日本外務省の秋元義孝審議官は「国民の多数が、悪質な犯罪については死刑もやむをえないと考えている」と説明。死刑制度の存続については、各国が独自に判断するべきだという立場を示している。