ドイツの伝道者ラインハルト・ボンケ氏が設立し、アフリカなど全世界で魂の大収穫を実現してきた「クライスト・フォー・オール・ネイションズ」(CfaN)の日本事務局が、21世紀キリスト教会(東京都渋谷区)に開設された。これを記念し、10月27日には同教会で、関東の教会教職者ら200人以上を招いて、ボンケ氏による伝道師育成講座「ファイヤースクール」の1日集中講座とウェルカムランチョンが行われた。
CfaNは、世界各地で大型イベントを開催し、これまでに約7500万人を救いに導いてきた。特に、しるしと奇跡の伴った伝道集会「ファイヤー・カンファレンス」がアフリカに大きなリバイバルをもたらし、1回の集会でイエス・キリストを受け入れる人の数が110万人に上ったこともある。新たに事務局が開設された日本では、早速2017年5月に、CfaN現代表のダニエル・コレンダ氏と協力者のトッド・ホワイト氏を招いて、日本で初めてとなるファイヤー・カンファレンスが東京で開催されることが決まっている。「神の国の到来と幕開け」をテーマに、2千人規模の集会を目指す。
その準備のために、17年1月からは、ヒーリングスクール、リバイバルスクール、ファイヤースクール、尊敬の文化スクールなど、海外から講師を招いての学びの場が用意される。ファイヤースクールは、神学的な教えを通して救霊の情熱を支援することを目的とした伝道者育成講座。教団・教派、年齢を問わず、魂の刈り取りに情熱を燃やすクリスチャンであれば誰でも参加することができ、効果的に聖書の知識と伝道の原則を身に付け、聖霊の燃える油注ぎを受けることができる。ボンケ氏が執筆した生徒用テキスト「効果的な魂の刈り取りと伝道」を用いて、通常は日数かけて学びを進めるが、今回は特別に、牧師、伝道師など既に伝道の基礎的訓練を受けている人を対象に、1日に凝縮しての講座が開かれた。
日本事務局開設を祝うために、関東全域から150人を超す教会のリーダーたちが集まり、また全国各地から有志のとりなしの祈り手や神学生ら約60人も参加。会場となった21世紀キリスト教会は2階まで満席となった。CfaNアジア地区責任者のジョエル・ウォン氏が来日して講師を務め、「基本原則と教理」「聖書的土台と伝道の秘訣」「弟子化とフォローアップ」「聖霊と伝道」と題して、合計約6時間の4回のセッションが行われた。「福音は非常に分かりやすく難しくない。それを複雑にしてしまうのは人間」と語るウォン氏が、その言葉通り、シンプルかつ力強く聖霊の働きについて解き明かし、数多くの聖書の御言葉を宣言するたびに、参加者は声を1つにして「アーメン」と大きな声で応答した。
この講座がファイヤースクール(=炎の学校)と名付けられたのは、洗礼(水のバプテスマ)を受けて救われたクリスチャンが、聖霊の火によるバプテスマを体験して爆発的な力を受けることができることによる。ウォン氏はそれを「救われたときに与えられているバッテリーを充電すること」と表現し、「3年半イエスから学んだ弟子たちも、ペンテコステに聖霊に触れられて初めて、恐れることなく大胆に御言葉を語れるようになった」と、特に神学の知的訓練に偏りやすい日本人クリスチャンに聖霊体験の大切さを強調した。
テキストには学びの順序が記されているが、「教えることは何もない。聖霊だけが良き教師であるから、その語られる声に耳を傾けること」というのがこの講座の基本的な姿勢。聖霊に全てを明け渡すことで、全ての不可能が可能となり、聖書に約束されている通りに、「イエスよりもさらに大きなわざを行うことができる」ようになる。事実、ホワイト氏は路傍で病の癒やしの奇跡を行うことを通して多くの人々に福音を伝えている。
聖書に記されている聖霊体験の1つに、人間の知らない神だけが知っている言葉が口から自然と出てくる「異言」がある。ウォン氏は、異言が「変な言葉を話し出す」「体が震える」など、その目に異様に映るが故に日本人クリスチャンから敬遠されがちなことを踏まえた上で、「舌を神に委ねなければ話すことはできない。異言を話すことはつまり、全身全霊を聖霊の支配に委ねること」「同じように聞こえなくても聖霊が1つの言葉を話させることで、全てのクリスチャンに霊的一致をもたらす」と、異言が聖霊の最初の表れであることを語った。
ウォン氏の全セッションに大きく刺激を受けた参加者たちは、聖霊の油注ぎを受ける「インパーテション」の時間を持った。アフリカで実際に起こっている大リバイバルのように、日本にも魂の収穫の時が来るということを具体的に思い描きながら、そのためには自分の能力や限界を忘れ、ただ聖霊に導かれる器に整えられるようにと、聖霊を慕い求めて賛美と異言の祈りをささげた。
CfaN日本事務局の代表を務める、21世紀キリスト教会の増山浩史牧師は、長年CfaNの働きを追い掛け、「いつか日本にも聖霊の火が下るように」と祈り求めてきたと言い、来年のファイヤー・カンファレンス開催を喜びをもって参加者に報告。事務局開設直後から、世界中の霊的指導者やスピーカーから多くの連絡が入ってきているという。
あいさつに立った増山牧師は、「CfaNが発表している7500万人という数字は、ただ単にカンファレンスや伝道集会に参加した人々の数ではなく、そこで受け取ったデシジョンカード(救いを受け入れる決意表明のカード)を持って後日各教会に行った人の数をいう。聖霊に触れられた人々が教会に押し寄せるので、各教会も大きな力を受けることができる」と、この働きの持つ力に大きな期待を示した。また、「来年5月の東京カンファレンスの千席は未信者のために用意し、クリスチャンが知り合いを連れて行く伝道の機会としたい」と語り、「まずは牧師、リーダーたちの協力と支援をお願いしたい」と呼び掛けた。
■ CfaN日本事務局ホームページ:http://www.cfan.jp