<本文と拓本>30文字(47+30=77)
元尊者其唯 我三一妙身 无元 真主 阿羅訶 歟判十字以定 四方皷元風而生
<注>
元尊者其唯(元尊はそれただ):元尊とは、最高のお方の尊称で中国の史書の漢書にも出、至高者のこと。
我三一妙身:三位一体の略でそれを漢文で最初に表現したのは景教碑文です。ここでは父なる神を指す。妙身とは優れて巧みな方。
无元 真主 阿羅訶(初めのない真の主、阿羅訶):阿羅訶は、創世記1章1節の神と和訳した原語ヘブル語のエロヒームからシリア語に訳し、それを漢語に音訳しました。当時の宗教語として古代中国で使われていました。
歟判十字以定(十字を分けて定め)
四方皷元風而生(四方から鼓をした元風は<二氣を>生じた):四方とは東西南北のあらゆる方面のこと。鼓は鼓(つづみ)が音を出したときのように奮起する意味。
<現代訳>
最高に尊いお方は、私たちの三一の優れたお方、初めもなき真の主アラクァ(創世記1章1節の「神」はヘブル語でエロヒーム<複数形で、力を意味する>。それをシリア語から漢語にしたのが阿羅訶)です。この方は十字を分けて定め、四方から奮起した元風は二氣を生じ
<解説>
三一の父なる神による天地創造の要約が書かれています。
※ 参考文献
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)
『景教のたどった道―東周りのキリスト教』(キリスト新聞社、2005年)
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