英国生まれのパキスタン人イスラム教徒、カシフ・シディキー氏は、トルコ・イスタンブールで20日〜21日に開催された国連「文化の同盟」(UNAOC)の会合で、キリスト教徒とイスラム教徒がサッカーを通じて平和のために協力していると述べた。
元パキスタン代表のサッカー選手で、NGO「サッカー・フォー・ピース」の共同設立者であるシディキー氏は、UNAOCの会合で、若いサッカー選手たちが、若者たちの間で広がる暴力的な過激主義に対抗する上でいかに役立つかを述べた。
シディキー氏は、トルコのサッカークラブ「ガラタサライ」に所属し、2010年に国際サッカー連盟(FIFA)によって世界最高のミッドフィールダー3人のうちの1人として名を挙げられたオランダ人サッカー選手、ヴェスレイ・スナイデル氏の協力も得るなどしている。
今月初めにバチカンで開かれた、スポーツと信仰に関する初の世界会議「人間性のためのスポーツ」でも演説したシディキー氏は、「サッカーは、世界中の言語的、文化的、宗教的障壁を壊してくれる普遍的な言語です。サッカーは、緊張を和らげ、争い合う対立グループ間の熱を冷ましてくれる、根本的に最も偉大な方法なのです」と述べた。
「サッカー界の模範となる人物たちが、スポーツの力を用いて、それを雄弁に語っています」とシディキー氏。「『サッカー場に出て、ボールを蹴ろう』と言うのは、若者たちに語る力強い方法です」と付け加えた。
UNAOCの会合には、政府機関や慈善団体、教育関係の指導者たちと共に、30カ国から200人以上の若い指導者たちが参加した。この会合は、国連の「暴力的過激主義防止行動計画」の一環として開催され、「暴力的過激主義防止の手段としてのスポーツ」などのセッションが行われた。
シディキー氏は英国クリスチャントゥデイに対して、「スポーツは人々が文化をより深く理解することを助けます」と述べた。サッカー・フォー・ピースが開くサッカーの試合では、ヒンズー教や仏教、イスラム教、キリスト教など、あらゆる宗教の選手で構成されるチームで対戦するという。「(宗教が違うからといって)ボールをパスしないなら、決して敵のゴールへ攻め上ることはできないでしょう」とシディキー氏は言う。
「私たちは、サッカーや、もっと社会を1つにするようなスポーツで構成されるプログラムに取り組む計画を立てました」。サッカー・フォー・ピースは、急進的な過激思想への対抗としてスポーツを用いることを夢見て、その実現に向け、「シティーズ・フォー・ピース」という企画を開始する段階にある。英国のバーミンガムは、既にその計画を受け入れおり、英国での次回のイベントは、来年、ロンドンのニューアム区で開催される予定だ。