【CJC=東京】米紙『USAツデー』によると、米国のキリスト教系の書店で、多角経営に乗り出すところが増えている。
テネシー州レバノンのクレーブ書店・カフェでは、キリスト教関連のベストセラーやCD、聖書のほかにシナモン風味のパンが買える。
クレーブが開店したのは2007年12月。経営者マイク、ベス・ワゴナー夫妻は「本だけを売っていたのではお客は呼べない」と、サンドイッチ、サラダ、コーヒー、カプチーノ、自家製スープも販売。店内では無料でゲームなどの無線機器が使える。
『クリスチャニティ・ツデー』誌が、キリスト教書店協会(CBA)によるとして報じるところでは、05〜07年に開店したキリスト教系書店は437、589、98の計1124店。これらの新店舗は宗教色を薄め、ボーダーズやスターバックスなどにより近い業態だという。一方、同じ時期に閉店したのは337、286、160の計783店で、減少度合いは低下している。
米国の宗教関連書籍の市場規模(2007年)は7億8300万ドル(約783億円)と堅調だが、キリスト教系書店はネット書店『アマゾン』や量販店の進出もあってか、独自色を打ち出す方式の検討を迫られている。
CBAのビル・アンダーソン会長は『USAツデー』に「これからのキリスト教系書店は多角経営をしないと生き残れない」と指摘している。