ビリー・グラハム氏の孫で、昨年不倫を理由に牧師を辞任したタリアン・チャビジン氏が、自身の人生の最も暗い時期に自殺を考えていたことを告白した。
米国を代表する伝道者、ビリー・グラハム氏の孫であるチャビジン氏は、不倫が明らかになる前までは、「全ての望みをかなえた」メガチャーチの牧師であった。しかし、繰り返し行っていた不倫が次々と発覚し、牧師としての経歴に終止符が打たれた。
そのチャビジン氏が最近、「EXPASTORS(元牧師たち)」というウェブサイトで筆を取った。自身の行動と、それがもたらした結果、そしてどのようにキリストに再び答えを見いだしたかについて、正直につづっている。
「(神との関係とは別に)永遠に確かだと信じていた2つのことは、21年間の結婚生活と、米フロリダ州フォートローダーデールの歴史あるコーラルリッジ長老教会の主任牧師としての召命でした。2015年春から初夏にかけ、その両方とも崩れ去りました」
「最初に私の結婚生活。その後に教会での私の地位がなくなりました。そして、それらの2つの喪失と共に1千もの他の喪失も起こりました。親友の喪失、財政的な安定の喪失、目的の喪失、神が良いお方であることへの信頼の喪失、希望の喪失、喜びの喪失、チャンスの喪失、私が知っていた人生の喪失。私の人生は、おとぎ話のようなものから、暴力的な悲劇のようなものへと変わりました」
チャビジン氏の不倫の発覚は、世界中の福音派、特に米国内に大きな衝撃を与えた。そしてそれは何カ月も続いた。
チャビジン氏は昨年、彼と妻がそれぞれ不倫関係を持っていたことを認めた後、コーラルリッジ長老教会の主任牧師を辞任。その後は、同じ教派のウィロークリーク教会で職を得た。
しかしこれもまた、数カ月前、チャビジン氏がそれまで告白していなかった2014年の不倫関係が明らかになったことで終わった。
チャビジン氏はこれまで、自身がいかに「破綻」していたかについては正直に認めてきたが、決してその詳細を語ることはなかった。
しかし今、自身のコラムでチャビジン氏は、不倫が発覚した後に自身の内側から生じた「汚らわしいこと」について述べている。「怒り、責任転嫁、復讐(ふくしゅう)への渇望、苦々しい傲慢(ごうまん)、自己を正当化した恨み、暗い自己義認、人を操作したい思い、勘違いした合理化、深い利己心、倒錯した権利意識」
「そして、ひどく過酷な状況の中で、私に自分自身の心に関して明らかにされたことは、恐ろしく、破壊的なことでした。私についてのこのうんざりさせる事実(とそのために私が感じた絶望的な孤独)は、私に自殺願望を与えました」
チャビジン氏は、2、3時間も自殺の方法を調べることさえし、当時次のように書いたという。
「私が引き起こした傷のために私が感じるこの痛みは、言葉では表現できません。それは大き過ぎて負うことができません。私がしたことと、私が引き起こした痛みのために、私は、自分が単純に消え去ることが、私の愛する全ての者たちのためになることだという結論を出しました。希望のない人生は死です」
しかし今、チャビジン氏は、キリストの十字架上の死が本当に意味することの新しい理解に希望を見いだしたと述べている。「福音は、他人があなたについて考えることから、単にあなたを自由にするだけではありません。福音は、あなたが自分自身について考えることからも、あなたを解放するのです」
チャビジン氏のコラム「自由を全て失った中での自由(The Freedom In Losing It All)」(英語)はこちら。