国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は9月30日、南スーダン南西部のイェイという町に追い込まれている約10万人のために緊急人道支援が必要だと警告した。それによると、同国の首都ジュバで7月初旬に新たな紛争が勃発した後、イェイでは治安状況が急速に悪化したという。
UNHCRや国連本部のニュースセンターは同日、公式サイトでイェイにあるキリスト教のエマヌエル聖堂で祈る避難民の女性の写真を掲載した。その説明文によると、この女性は9月にイェイ郊外で起きた暴力のために立ち退かされたという。両国連機関はまた、同聖堂の構内に集まる何千人もの国内避難民の写真も掲載した。
「今まで、イェイは2013年12月以来この国を悩ませてきた暴力や襲撃から免れてきたことが多かった」と、UNHCRのスポークスマンであるウィリアム・スピンドラー氏はジュネーブで記者団に語った。
「イェイの住民—主に営利目的や生活のための農業で生計を立てている農民である—が暴力の直接的な標的になり、敵対する集団に属している疑いが持たれているのは、これが初めてだ。彼らには人道支援が緊急に必要だ」と、同氏は付け加えた。
イェイはウガンダやコンゴ民主共和国(DRC)との国境に近い中央エクアトリア州に位置しており、南スーダンの首都ジュバから約150キロ南西にある。
この町の教会によると、9月11日と13日に非戦闘員に対する致命的な襲撃と私有財産の略奪が起きたのを受けて、3万人以上の人々が周辺地域からイェイの中へ立ち退かされたという。これらの人々は、7月中旬から近くのライニャ州から立ち退かされた数千人の人たちに加わり、離れる手段もなくイェイに留まっている6万人に上る町の住民は、この紛争で立ち退かされた人たちと同じように今や欠乏のうちにあるという。
「ジュバで7月初旬に新たな紛争が勃発し、今月(9月)のより早い時期に危機に陥ってから、イェイの治安状況は急速に悪化し、何千人もの非戦闘員が住処(すみか)からの避難を余儀なくされた」と、スピンドラー氏は語った。
UNHCRが9月27日に主導した機関間によるイェイ調査団は、立ち退かされた何万人もの人たちが廃屋に、そしてより少ない数の人たちが教会の構内にそれぞれ避難し、食糧や医薬品の深刻な不足に直面していると述べた。恐怖に怯えた人たちは、暴行、狙われた殺人、手足などの切断、財産の略奪や燃焼など、脱出の前や間における非戦闘員に対する恐ろしい暴力について語ったと、同調査団の代表者は述べた。