神の赦しを求める南スーダンのキリスト教徒たち
米クリスチャンポストは12日、「何百人ものキリスト教徒たちが粗布をまとって、戦争で引き裂かれた南スーダンのために神の赦(ゆる)しを求める」という見出しの記事を掲載した。
報道によると、南スーダンでは、人権に対する残虐行為が明らかにされ続ける一方で、同国南西部のイェイという町で何百人ものキリスト教徒たちが、悔い改めを呼び掛ける大規模な示威行動として、粗布をまとい、戦争で引き裂かれた同国を赦してくださるよう神に強く求めた。
スーダンと南スーダンの両国にまたがる放送局「ラジオ・タマズジ」は12日、キリスト教徒たちが10日にイェイの街路に繰り出し、クリスチャン・リバイバル・センターのジョン・セビット・エドワード牧師が聖書から引用して、知恵と和解と悔い改めのために神を求めるよう、同国市民に強く求めた。
「私たちは、謙遜と知恵、そして悔い改めの象徴として粗布をまとうことによって、南スーダンという国を神の御前にささげたいのです。南スーダンを共に発展させるべく、神が私たちを赦してくださるように」と同牧師は語った。
これらのキリスト教徒のデモ隊は、携帯用マイクを持ってこの町の居住区域や大通りを通って歩き、平和と和解、そして悔い改めのメッセージを説いた。
アフリカで最も新しい同国を支配してきた内戦で、計り知れない数のキリスト教徒たちや他の文民が殺され、教会はサルバ・キール大統領とリエク・マシャール前第1副大統領の戦いで捕らわれた人々にとって、避難所の1つとなっている。
「飲料水の不足から始まって、人道問題が最も緊急だ。多くの困難にもかかわらず、何千人もの人々が教会に避難し、彼らに支援を提供すべく多くのことがなされてはいる。国際赤十字が2つの主要な病院に自らのチームを何とか派遣した」と、教会関係の情報筋が、休戦が宣言された7月に語った。
去る3月には、教会の幹部たちが、大規模な強姦や、生きたまま焼かれ、絞首刑にされ、あるいはバラバラにされた子どもたちや障がい者たちの話を明らかにした国連の報告書を確認した。
国連人権高等弁務官のザイド・ラアド・アル・フセイン氏は当時、「主に政府のSPLA(南スーダン人民解放軍)の部隊と付属の民兵による性暴力の規模や種類が、文民を殺りくし財産と暮らしを破壊している者たちのほとんど無頓着ながらも計算された態度と同じように、厳しく、破壊的なほどまでに詳しく述べられている」と語った。
250万人もの人々が自宅を追い出され、その一方で何百万人もの人たちが飢餓に直面していると、国連は述べた。
BBCニュースは12日、この内戦で一般国民がとても苦しんでいる一方で、マシャール前第1副大統領とキール大統領はこの内戦から利益を得ているとして、あるニュース報道が両者を非難したと報じた。
報道によると、「南スーダンにおける大規模な残虐行為について究極的な責任がある高官たちは、控えめな政府の給料にもかかわらず、同時にどうにかして蓄財をしてきた」ことが判明した。「ある者たちは怪しい事業の取引に関わっており、その一方で他の者たちは南スーダンで事業を行っている企業から明らかに多額の支払いを受け取った」という。
この報道は、アフリカの紛争に資金を提供して利益を得ている勢力を粉砕し、分解させようとする「ジ・イナッフ・プロジェクト」「ノット・オン・アワー・ウォッチ」「C4ADS」の協力事業「ザ・セントリー」(米国ワシントンDC)によるものだ。筆者のJRメイリー氏は、証拠が示すところでは、南スーダンにいる非常に少数の人間がその経済の大多数を支配しており、航空会社や銀行・石油会社・鉱業会社・カジノやその他の組織の所有権を主張していると述べた。
28日に「下からの平和構築」会議をジュネーブで開催
一方、ジュネーブにある研究機関「包括的平和と移行イニシアチブ(Inclusive Peace and Transition Initiative)」と、ルーテル世界連盟(LWF)、世界教会協議会(WCC)、フィンランド教会援助(FCA)は28日、「下からの平和構築:南スーダンにおける地域市民社会の役割」と題する会議をスイスのジュネーブで開催する。LWFなどが16日に公式サイトで伝えた。
LWFは公式サイトでこの会議について、「平和構築は国家的行為体や政党、そして国際組織の任務であると一般には認識されている。従って、地域社会や伝統的な権威者、それから部族の族長、女性や青年、そして信仰に基づく団体の役割は見過ごされることが多い。ところが、南スーダンの長引く内戦全体を通じて、市民社会が平和構築の中心的な行為主体の1つとなってきている。それは和平を提唱し、対話を促進し、市民を暴力から保護してきた。この催し物は、人に称賛されることのない平和の担い手と草の根市民社会の平和構築への貢献に光を当てようとするものである」と説明している。
同会議のプログラムによると、LWF総幹事のマルティン・ユンゲ牧師が初めの言葉を述べ、グラジュエイト・インスティテュートの「包括的平和と移行イニシアチブ」のディレクターを務めているタニア・パッフェンホルツ博士が議長を務める。パネリストとして、南スーダン教会協議会総幹事で南スーダンに関する「アジスアベバ和平会談」の宗教団体代表を務めているジェームズ・オイェット・ラタンシオ神父、「人権開発機構」の代表理事代行で「移行における正義作業グループ」のコーディネーターであるテオーナ・アマニャ氏、フィンランド教会援助の「ライト・トゥー・ピース(平和に対する権利)」上級顧問のマティアス・ウェヴェルシエプ氏の名前が挙げられている。(続きはこちら>>)