【CJC=東京】米政府と議会に対外宗教政策について勧告する独立諮問機関「国際宗教自由委員会」(USCIRF)は4月15日、北朝鮮の宗教弾圧に関する報告書『窓格子のない監獄』を発表した。報告書は、北朝鮮当局が国外のキリスト教会などと接触した人に対し厳しい拷問を科すなどの弾圧を行っていると指摘、「北朝鮮は依然として、宗教の自由とその他の人権を、全世界で最も抑圧する国」であるとしている。
報告書は、脱北者72人を対象に、北朝鮮の宗教の自由の問題をインタビューした資料を基に作成されたという。それによると、北朝鮮当局はキリスト教の布教活動などの背後に米国や韓国の情報機関がいると見なし、体制を揺るがしかねない「思想的な脅威」として警戒している。
USCIRFは報告書で、「国際社会が北朝鮮の核問題を解決するために努力することが、北朝鮮の人権問題を解決するための外交努力を弱めることになってはならない」と述べ、「北朝鮮の宗教と人権弾圧問題、中国の脱北者強制送還問題を解決するための国際的な圧力のレベルを更に高めなければならない」と促した。
北朝鮮に送還された脱北者が中国国内でキリスト教に改宗したり、韓国人と接触したことがわかった場合、厳しい尋問、拷問、虐待などの仕打ちを受けているという。