今月9日水曜日の夜に開催された米国の人気オーディション番組「アメリカンアイドル」のパフォーマンスで、歌われたワーシップソングの「イエス(Jesus)」という歌詞が「羊飼い(shepherd)」に置き換えられたことについて、クリスチャンの視聴者からの抗議が殺到。翌日10日に出場者のアイドル達が再度ステージで、「ジーザス」の歌詞で歌い直すという騒動があった。
10日のステージでは8人のファイナリストが、「イエス」という歌詞を含め全て原曲通りにワーシップソングを歌った。しかし、その前夜に「イエス」という名がテレビ画面上に映ることはなかった。
今年で2回目のチャリティーコンサート「Idol Gives Back」の最後のパフォーマンスで、出場者らが「我がイエス(My Jesus)、我が救い主(My Savior)」という歌詞の代わりに「我が羊飼い(My Shepherd)、我が救い主(My Savior)」と歌った瞬間、その模様をテレビで見ていたクリスチャン達は大激怒。
「これは最初で最大の間違いだ。もしゴスペルソングを歌いたいなら、それを歌えばいい。なぜ歌詞を変える必要があるのか」と人気ニュース・ブログサイト「ハッフィントン・ポスト」のブロガーであるマイケル・ギルツ氏。「『Shout to the Lord』から『Jesus』を削除したことは大きなミスだ。最初に出演者全員で一緒に歌うというイベントの目玉だったのに」とカトリック教徒のギルツ氏は続けた。
しかし、主催者側が歌詞を変更したのは多様な宗教を持つアメリカ国民の論争を減らそうと試みたためという見方もあり、結果的にはコンサート後に「アメリカンアイドル」の掲示板にはクリスチャンソングを歌ったファイナリスト達の妥当性を疑問視する投稿が相次いで寄せられることになった。
10日に行われた結果発表の序盤で、出場者が前日に歌った曲を再び歌い始めると、「イエス」という部分の歌詞が元に戻されていることにクリスチャン達は驚きを感じながらも、心地よく聴き入った。しかし、宗教歌に感心のないその他の多くの聴衆は前日の騒動に対するうんざりした気分を拭いきれなかったようだ。
チャリティーコンサート「Idol Gives Back」は、キャリー・アンダーウッド、ファーギー・アンド・ハート、マライア・キャリー、ジョン・レジェンド、マイリー・サイラスなど、数多くの有名人を輩出している。10日の結果発表のイベントでは6千万ドル以上の売り上げを記録した。(Breathe Cast)