C・S・ルイスの不朽の名作「ナルニア国物語」シリーズが再び銀幕に帰ってくる。6年間待ち焦がれたシリーズ第4章「銀のいす」の映画化が決定した。
「銀のいす」は、トライスター・ピクチャーズ、ザ・マーク・ゴードン・カンパニー、エンターテンメント・ワン、ザ・C・S・ルイス・カンパニーの共同製作で、「ライフ・オブ・パイ」「ネバーランド」の脚本家、デイビッド・マギーを迎えて映画化される。
期待すべき点
映画化された最初の3作品――第1章「ライオンと魔女」(2005年)、第2章「カスピアン王子の角笛」(07年)、第3章「アスラン王と魔法の島」(10年、原作小説は「朝びらき丸 東の海へ」)――が比較的成功したにもかかわらず、第4章「銀のいす」は、1953年発表の原作小説の性格に倣いつつも、シリーズを一新して再スタートを切るという。
「銀のいす」は、第3章「アスラン王と魔法の島」の数十年後が舞台として設定されており、11歳のユースチス・スクラブ(前作ではウィル・ポールター出演)とジル・ポールが、年老いたカスピアン王(前作ではベン・バーンズ出演)の仲間になり、行方不明になっている独り息子で唯一の跡取りであるリリアン王子を探す旅に出る。
映画ニュースサイト「コライダー」によると、プロデューサーのマーク・ゴードンは、早期に映画を完成させたいと願っている。また「銀のいす」は、キャストやクルーを一新した新シリーズになるとゴードンは語っている。
これは、映画化4作目として、当初は「銀のいす」ではなく、ナルニア国の創成期が描かれた第6章「魔術師のおい」が計画されいたことを考慮すれば、驚くに値しないことだ。シリーズ一新の理由は、ファンタジーとして知られるナルニア国物語の不思議な世界観を継承しつつも、シリーズの盛り上がりを狙う必要があるということだろう。
映画中に暗示されるイエス・キリスト
しかし、ファンは心配するに及ばない。原作の中でC・S・ルイスが真の主人公としているイエス・キリスト、すなわちアスランは、この作品の中にも登場するからだ。この誰からも愛されてきた言葉を話すライオンが、これまでの3作の中に登場しなかったことはない。ただし、これまでアスランの声優を務めてきたリーアム・ニーソンが、この作品でも声優を務めるかどうかは不明である。
C・S・ルイスの養子であるダグラス・グレシャムは、亡き義理の父のファンタジー小説を、劇場に返り咲かせる冒険の旅に出ることを楽しみにしていると語った。