笑福音亭シオンこと、大阪シオン教会の安達隆夫牧師が7月、落語CD付き伝道トラクト、福音落語・五十の手習い3『カミさんを恐れることが知恵のはじめ』を出版した。
これまでのシリーズ同様、販売収益は全て、2013年にフィリピンを襲った巨大台風で破壊された小学校を再建する「バルナバプロジェクト」を通じて、フィリピンの学校建設に用いられる。バルナバプロジェクトは、大阪シオン教会の学生を中心に、日本国際飢餓対策機構の協力を得て14年3月にスタート。15年7月に最初の校舎がサマール島に完成した。さらに2つ目の学校建設のためにシリーズ3が出版されることになった。
噺(はなし)のマクラとなるプロローグは、笑福音亭シオンの分身である安達牧師自身の証しとなっている。35歳で洗礼を受け、41歳で牧師になった遅咲きの経歴を持つ安達牧師が「なんで牧師になったのか」が面白おかしく語られていく。「神様は、個人の知識や才能だけでなく、勘違いや楽観主義、失敗までも用いてくださる」とし、「そのおかげで今やわたしも立派な?牧師である」とまとめ、本題に移っていく。
落語の噺に出てくるのは、頼りない、知恵のないお父ちゃん、ちゃきちゃきした性格で、熱心なクリスチャンのお母ちゃん、そして、しっかり者の小学3年生の子ども。お母ちゃんが教会の特別集会に出掛けた後、聖書のことを全く知らないお父ちゃんと、教会学校で神様について学んでいる息子が「知恵」についてやりとりを交わす。「知恵」とは、神のことを知り、神からの力を受け取ることだと語る息子の話を、お父ちゃんは自分の経験から勝手に解釈してしまう。
それでも息子はお父ちゃんに「知恵のある人」になってもらおうと、1人の子どもを取り合う2人の女を裁くソロモンの話や、ナバルの一族を助けたアビガイルの話から「知恵」について教え、さらに、どんな状況に置かれても神を信じ続けたヨブの話から「神を畏(おそ)れること」の素晴らしさを伝える。
教会から帰ってきたお母ちゃんに、お父ちゃんは自分が知恵のある男であることを見せようとするが・・・。締めくくりでは、さらなる笑いを誘う結末が待っている。
落語の噺だけでなく、安達牧師のショートメッセージも22ページにわたって掲載している。また、バルナバプロジェクトのために、教会の学生たちとフィリピンを訪問したときのことも記している。「どうせ無理」「できないに決まってる」と言っていた学生たちが、「神様がいるからきっとできる」と見違えるように前向きな言葉を語れるようになった。「これらはすべて、誰かのために、誰かの笑顔のために生きる喜びを知ったからであり、この喜びこそが私たちの人生にとって本当の喜びなのです」と語る。
さらに、「本当の喜びはすでに手の中にある」と安達牧師。足りないことを補ってくれるように祈るのではなく、全てに感謝し、自分というグラスを満杯にしておいて「神様、満たしてくださって感謝します。今度はこの恵みを分け与える人にしてください」と祈ってみることを勧める。「そうすれば、奇跡が起こらなくても、あなたは本当の幸せがつかめるでしょう」
福音落語・五十の手習い3『カミさんを恐れることが知恵のはじめ』は全59ページ、税抜き500円。注文・問い合わせは、大阪シオン教会(〒578−0941 大阪府東大阪市岩田町5−15−28、電話:072・964・5144、メール:[email protected])まで。