「笑福音亭シオン」の高座名で、教会を中心に福音落語で伝道する大阪シオン教会の安達隆夫牧師が6月、落語CD付き伝道トラクト、福音落語・五十の手習い2『信じる者は救われる』を出版した。これは、昨年8月に出版した『涙・ナミダの悔い改め』に続く第2弾。第1弾は作製した1000部が完売、この第2弾もわずか2週間で700部以上が売れ、増刷の話も出ているほどの人気だという。内容は少しでも分かりやすく福音を伝えたいという思いがこもったオリジナル落語と、安達牧師の「真面目」なメッセージが併せて掲載されており、落語のCDも付いている。
話は、笑福音亭シオンの分身である安達牧師自身の証しといえるプロローグから始まる。聖書のことがよく分からないうちに洗礼を受けたことや、洗礼を受けても期待していたほどに変化はなかったこと、次第に本当に天国に行けるか心配になったことなどテンポよく語られている。本当の神は、自分の召使いではなく、自分を内面から成長させ、栄光の姿に変えてくださる方だと気付き、「神様を信じるだけで少しずつ変えられていくんやなと思うとちょっとうれしくなる今日この頃」だと語り、本題に移っていく。
落語に出てくるのは、頼りない泥棒の子分と、少ししっかりしている泥棒の兄貴分、そして、小さな教会の“牧師センセ”だ。盗みに入る家を物色しているうちに、教会に迷い込み、出てきた牧師センセとやり取りを交わす。牧師センセから初めて聞く聖書の話だが、「神をたたえて」を「神を叩(たた)いて」に、聖書の「メッセージ」を「マッサージ」にと、泥棒は「器用」に聞き違えていく。
聖書の話を2人に理解してもらおうといろいろ教える牧師センセと、聖書の話を勝手に泥棒稼業になぞらえて聞く2人の泥棒。この互いにかみ合わないやり取りがしばらく続き、最後に牧師センセから「信じる者は救われる」という言葉はぜひ覚えて帰ってほしいと言われ、泥棒たちは教会を出ていく。教会を出た後、泥棒2人が盗みに入る家を見つけ忍び込み、これまで聞いてきた牧師センセの言葉を思い出しながら「仕事」を始めるが・・・。最後に泥棒たちが自分たちなりに受け止めた「救われる(すくわれる)」の意味が大いに笑わせる。
最後には、聖書のショートメッセージがあり、本書のテーマである「信じる者は救われる」から、「救われる」ということが分かりやすく語られている。まず、「救われる」とは、地獄行きの運命から救済されることだと述べ、「(罪を持って生まれた人間は)地獄行きの特急列車に乗っているようなものです。・・・だから、途中下車して天国行きの列車に乗り換えなくてはなりません」と語る。では、一体どうやって乗り換えればいいのか。その答えが「信じる者は救われる」ということで、ただイエスを信じるだけ、これが天国行き列車の切符だと安達牧師は伝えている。
『信じる者は救われる』は全60ページ、税抜き500円。大阪シオン教会では、2013年にフィリピンを襲った巨大台風で破壊された小学校を再建するための「バルナバプロジェクト」を推進しており、同書の販売収益は全額、フィリピンの学校建設に用いられる。この働きは同教会の若者を中心に日本国際飢餓対策機構の協力を得て昨年3月にスタートし、7月には最初の校舎がサマール島のマブハイ地区に完成する予定になっている。
『信じる者は救われる』の注文・問い合わせは、大阪シオン教会(〒578−0941 大阪府東大阪市岩田町5−15−28、電話:072・964・5144、メール:[email protected])まで。