ドイツにおける教会出席者の着実な減少を示す数字によると、ドイツでは昨年、18万人余りのカトリック信徒が教会を去った。
ドイツのカトリック教会は同国最大の宗教団体であり、ドイツの人口8千万人の29パーセントを占める2370万人の信徒がいる。しかし、ドイツカトリック司教協議会の最近の発表によると、2015年には2685人がカトリック信徒となり、6474人がカトリックに復帰したが、計18万1925人が教会を去った。
婚姻件数はさらに急激に減少している。21年前には8万6456組のカップルが教会で結婚したが、昨年教会で結婚したのはそのほぼ半数の4万4298組だった。
こうした減少にもかかわらず、同司教協議会会長でミュンヘン・フライジング大司教のラインハルト・マルクス枢機卿は、教会を「そのメッセージが聞かれ、受け入れられる、継続的に強大な力」であると話した。
マルクス氏は、「私たちは人々の多様な生活世界を正当に評価し、説得力を持って信仰の希望を伝える『洗練された牧会的実践』を必要としています。昨年の世界代表司教会議(シノドス)の結論と、教皇フランシスコの使徒的勧告『アモリス・レティティア(愛の喜び)』は重要な標識です。(中略)教皇が未来の教会の道は『司教会議制による教会』の道であると私たちに話すとき、教皇フランシスコは私たちに勇気を与えます。それは次のことを意味しています。全ての忠実な者たちは招かれているのです、信徒も司祭も。私たちは共に私たちの信仰と福音の説得力のある証言をし続けるのです」と語った。
ドイツの教会の批判者たちは、教会に大金をもたらす教会税を指摘している。例えば、2013年のドイツのカトリック教会の税収は約55億ユーロ(約6220億円)であった。
教会税の存在は、カトリック信徒から信仰を実践する意欲を削いでいると考えられており、実際に教会税を払っているのはドイツのカトリック信徒全体の約3分の1だけだとされている。ドイツの教会税は19世紀に始まり、所得税に追加される形で払われている。
ドイツの教会の裕福さは、悪名高き「ぜいたくな司教」と批判されたフランツペーター・テバルツファンエルスト司教の一件を通して、世間に知られるようになった。ローマ教皇フランシスコは14年、その目に余る支出のため、テバルツファンエルスト氏に司教の資格を停止する処分を下した。