ドイツ南部で、殺害予告と人種差別的な暴言を受けたカトリックの司祭が辞職した。
コンゴ出身のオリバー・ンドジンビ・ツシエンデ司祭は6日の礼拝中、会衆に辞職する決断を告げた。
辞職に至った経緯は、ンドジンビ・ツシエンデ司祭と保守派の地域政党キリスト教社会同盟(CSU)所属の政治家2人との間の緊張が頂点に達したことだ。BBCの報道によると、66歳になるンドジンビ・ツシエンデ司祭は、その地域でのCSUの指導者シルビア・ボーハー氏が「兵役から逃げ出したエリトリア難民の侵入」について語ったことを非難した。
このコメントは、悲惨な報酬内容と過酷な状況の兵役から逃れてドイツに難民申請をするエリトリア人が急増したことに関連して出た。
ンドジンビ・ツシエンデ司祭の介入後、CSUのもう一人の政治家ヨハン・ハインドル氏が、司祭に人種差別的な暴言を吐いた。
ハインドル氏とボーハー氏は激しい非難を受け、両者ともその職を離れている。警察は現在、人種差別的扇動と暴言の疑いで捜査している。
教区のウェブサイトには、「私たちは殺害予告を受け、驚きと悲しみを受けています」とのコメントが掲載された。ンドジンビ・ツシエンデ司祭は2012年以降、バイエルン州ミュンヘン付近の街の教区で奉仕していた。
司祭の留任を願うオンライン署名サイトが開設されたが、ミュンヘン大司教区は4月1日にも司祭を新しい職に転任させることを計画していると述べた。