神奈川県相模原市の障がい者らに対する殺害襲撃を受けて、世界教会協議会(WCC)から非難と哀悼の声が出ている。WCCが26日、公式サイトで報じた。
同市にある障がい者施設「津久井やまゆり園」で26日未明、19歳から70歳までの精神障がい者19人が殺され、26歳の同園の元従業員がその襲撃犯であることが分かった。26人のけが人も出た。
報道によると、障がい者なんて「いなくなれば」いいと主張しているこの容疑者は、以前、複数の障がいのある重複障がい者の安楽死を提唱していた。
「生命という賜物は人間の価値と人権の絶対的な基礎だ」と、WCC副総幹事のヒエルケ・ウォルターズ牧師・博士はこの襲撃の後に語った。
同副総幹事は、WCC中央委員会によって1カ月前に採択された、WCCのエキュメニカル障がい提言ネットワーク(EDAN)による「存在という賜物」という声明に言及した。
ウォルターズ氏はこう続けた。「全ての人が神の似姿を持ち、神に愛されており、互いが愛をもって気遣うに値するのは、つまるところ、全ての人が弱いからだ。この襲撃は、私たちの最も深い信念と、私たちが神の子たちとして互いに負っている唯一の務めを冒涜(ぼうとく)するものだ」
ウォルターズ氏は、「社会として、私たちは慢性的な身体ないし精神の病気、あるいはケガに苦しむ人たちの人間性や価値を忘れてしまったり、中傷してしまう危険の中にある。しかし、私たちの全ての倫理と人権に対する核心的な責務は、全ての人間の生命が持つ聖なる価値の肯定をもってまさに始まるのだ」と述べた。
EDANのプログラム管理職員であるサミュエル・カブエ博士は、「生命は神からの賜物であり、それを奪う権利は誰にもない。誰もが生命に対する権利を持つと、世界の共同体が国際連合を通じて明確に規定したことで、これはどんな宗教をも超えている。『障がい者の権利に関する条約』はこれについて、どの人間も生命に対する固有の権利を有し、各国は障がい者が他の者との平等を基礎として、その権利を効果的に享有することを確保するための全ての必要な措置を取ると述べており、非常に明確だ。従って、殺されたこの人たちは、国家からの保護に値していたのであり、障がいのある人々の生活に否定的な感情をすでに表していた人たちは、彼らの世話をするどんな施設からも遠ざけるべきである」
ウォルターズ氏は、「私たちは、この残酷な行為によって将来を奪われた19人の男女の遺族と共に、また負傷した人たちのために悲しむ。彼らのために共に祈り、生命という尊い賜物を、とりわけそれが制限され、攻撃されるところで守り養うことを誓う加盟教会や善意ある全ての人たちと共に立つ」と付け加えた。