米男性誌「プレイボーイ」のフィリピン版が2日、創刊された。同版編集長ベティング・レイゴ・ドーラー氏は、内容が他国で発売されているものよりも「控えめ」だと語っているが、カトリック教会からは抗議の声が上がっている。
AFP通信によると、カトリック教会の司祭からは、「貧困から汚職まで多くの問題が山積しているフィリピンに、さらに別の道徳的問題を抱える余裕はない」「すでに同国には成人向けの雑誌が氾濫しているので、プレイボーイ誌によりフィリピンの性文化がさらに退廃するだろう」などの声が上がっている。
ドーラー氏は、フィリピンの国内男性誌「FHM」や「Maxim」など競い合うことは考えていないと強調。露骨な内容の両誌とは違い、「もう少し大人で高所得者の男性読者層がターゲットだ」「この雑誌の芸術性や記事、写真を評価して買うような人たちだ」(同通信)と話している。
プレイボーイ誌の海外版は、フィリピンが25カ国目。昨年にはイスラム教徒が大半を占めるインドネシアで創刊され、抗議運動が起こり、広告主が手を引くという事態が起きている。
日本外務省の情報によれば、フィリピンは人口の83%がカトリック教徒で、プロテスタントを含むその他のキリスト教徒が10%、イスラム教徒が5%と、国民の多数をカトリック教徒が占める保守的な国。しかし、ドーラー氏は、カトリック教会からの反発はあるが、インドネシアと同様の事態は起きないと見ている。