信徒一人ひとりの聖書の知識を深めることで地域教会の活性化を助けようと、広島で開校を準備している聖書学校「ザ・ロック・スクール・オブ・ミニストリー(The Rock School of Ministry)」の説明会が26日、広島市のアステールプラザで開かれた。同校をすでに米国で運営する米カリフォルニア州ザ・ウェル教会のナポレオン・カーフマン牧師が、同校の趣旨と日本での設立の必要性を訴えた。説明会には、同校に関心を持つ地元教会の信徒ら約20人が集まり、カーフマン牧師の話に真剣に耳を傾けていた。
「宣教が発展しない理由は、教育の欠如」とカーフマン牧師は指摘する。日曜日に教会に通ってはいるものの、日常の生活に戻るとすぐに信仰を忘れてしまうクリスチャンを少しでもなくすために、聖書の深い学びを通してクリスチャンの信仰を整え、各教会での宣教の働きを促進させることが同校の趣旨である。
日常生活における伝道の実践の場で、日本の多くのクリスチャンが「人々に何かを伝えたいが、どう伝えればいいのかわからない」と、自らが持つ信仰をうまく分かち合悩みを抱えている。
カーフマン牧師は、「(信仰の)訓練が足りないから」とその悩みの原因を指摘し、エペソ人への手紙4章11〜16節から日本で同校を開校する目的について、「人を整え準備するため」「信仰の一致と神の御子に関する知識の一致のため」「成熟した大人のクリスチャンを育てるため」と説明した。
また、「聖霊がその中におられるのだから、クリスチャンは強く、輝いていなければ。(自分の信仰が)整えられたと実感したときに大胆になれる。神は(クリスチャンに)、大胆に信仰を語ることを願っておられる」とクリスチャンのあるべき姿を説いた。
カーフマン牧師は、日本の教会から若者が次々と離れていく理由の一つに、「若者が教会にきても、教会が彼らを十分に訓練し、整えなかった」ことがあると指摘。「若者の信仰を整えて、準備をする。聖書の価値を、これこそ人生を変えるもの、これが本当の平安を与えることができる、本当の力、怒りをコントロールする力、自殺に打ち勝つ力を、人生の意義、目的を与えるものだということ、そしてイエスと共に生きることが、何よりも興奮することだということ、このことを若者が聞くだけでなく、目の前で目撃することが大切」と語った。
そのうえで、「神は私たちから始める。まずは私たちが整えられて、人生の諸問題に対応できるように願っている」と語り、「自分自身だけでなく周りの人々のために学ぶ。若い世代も助けることができる」と学びの意義を語った。
カーフマン牧師の牧会するザ・ウェル教会は、5年前に3家族15人でスタートし、今では教会員数約1500人、世界38カ国にむけて礼拝メッセージをテレビ放送するなど、急成長を続けている。
カーフマン牧師は、年に一度か二度の伝道集会を開くことでも、日本に大教会を立ち上げるために人を整えることでもなく、地元教会のクリスチャン一人ひとりの信仰を整えることで地域教会に仕え、地域での宣教の働きを根本から活性化させることを願っているという。
開校時期についてはまだ未定ではあるが、カーフマン牧師は、今後も地元の教会と「忍耐を持って深く長い付き合いを持ち、関係を作っていきたい。信頼関係なしには成功しない」と語り、地元教会との信頼関係が整ってから、いつ開校するかを具体的に決めたいとしている。
東京や大阪でなく、広島で開校することについてカーフマン牧師は、「これはアメリカと日本の関係における回復の働き」であり、「(原爆によって)サタンはこの地を破壊したが、神はこの地を愛し、この地が(回復の働きの)霊的な先頭になる」と語った。
聖書学校「ザ・ロック・スクール・オブ・ミニストリー」に関する問い合わせは、同日本校担当:森田(メール:[email protected]、[email protected])まで。