「ダッカでの襲撃を経て、私たちはテロリズムの増大をとても心配しています。これらのテロリストたちによる襲撃は、この国と国外におけるイメージに損害を与えているのです。私たちが経験している状況は本当に困難です」と、教皇庁バングラデシュ宣教会(PMS)所長でバチカンの報道機関「アゲンジア・フィデス」のディリップ・コスタ神父は、この国を震撼させた最近の出来事についてコメントした。バチカン放送局英語版が2日に報じた。
ダッカにあるレストランで外国人を人質にとっていたテロリスト集団の行動に、特殊部隊が終止符を打った。20人の外国人が死亡し、数人が負傷した。「(人質)のほとんどは昨夜、鋭い武器で容赦なく殺されました」と、ナイム・アスラフ・チョードゥリー陸軍准将は、2日に包囲作戦が始まる前に語った。襲撃犯のうちの6人はバングラデシュ軍によって殺され、10時間を超える撃退が終わった。1人のテロリストが生きたまま拘束された(その後、もう1人を拘束)と、バングラデシュのシェイク・ハシナ首相は2日に発表した。
「大多数のイスラム教徒たちがこのような行為を非難しており、過激派集団が少数派だというのは本当です。しかし、危険はありますし、私たちキリスト教徒はその危険を感じられるのです。なぜなら、キリスト教の用地や宣教師たちに対する襲撃もこれまであったからです。政府は最善を尽くすと言ってはいますが、彼らを留めるにはそれが十分でないのは明らかです。地元の暴力的な過激派集団と中東の過激派組織「イスラム国」(IS)の関係がどれだけ直接的で具体的なのか私たちは知りませんが、でも、確かにこれは私たちにとって危険です」と、PMS所長は付け加えている。
キリスト教の組織は警察によって守られてはいるが、「全ての少数者は恐怖の状態の中で暮らしており、この不確かな状況がこの国をどこへ導いていくのか、私たちには分かりません。キリスト教徒として、私たちは祈りつつ、自らの使命、とりわけ社会福祉事業を続けていきます」と同所長は結んでいる。
「今年の初め以来、約20人が殺されてきた」と、あるカトリックの情報筋が、安全上の理由から匿名で、最近、カトリックのニュースメディア「アジア・ニュース」に語った。「特に標的にされている人は誰もいない。ただ、過激派たちはこの国を不安定にしたがっているようだ」。この数カ月、キリスト教徒やイスラム教徒、ヒンズー教徒、そして(バングラデシュ南東部の都市である)チッタゴンの警察所長の妻に加えて、庶民が暴力の犠牲になってきた。
最近では、不特定の襲撃犯たちがバングラデシュ南西部にいたヒンズー教の僧侶を刺して重傷を負わせた事件が1日に起きたが、それはヒンズー教寺院の職員がテロ容疑者たちによる襲撃でめった切りにされて殺されてから、わずか1日後のことであった。警察は、シャスキラ県にあるスリ・スリ・ラドハ・ゴビンダ寺院の48歳の僧侶がその寺院の中で寝ている間に襲われたと述べた。
一方、シェイク・ハシナ首相は2日、「それは極めて凶悪な行為でした。これらの者たちはどんなイスラム教徒だというのでしょうか? 彼らには宗教など何もないのです」と、テレビ演説で語った。「人々はこれらのテロリストを拒絶しなくてはなりません。私の政府はテロリズムや闘争精神をバングラデシュから根絶する決意です」と同首相は繰り返し述べた。